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新谷千里

高利益を出すスーパーマーケットにするコンサルタント

新谷千里(しんがいちさと) / 経営コンサルタント

有限会社サミットリテイリングセンター

コラム

人件費高騰と人手不足は、大きなチャンス!

2018年5月23日 公開 / 2018年5月24日更新

テーマ:スーパーの業務改善

コラムカテゴリ:ビジネス

景気の回復に伴い、人手不足が深刻な問題となってきてます。
そしてそれは、地方都市でも例外なく押し寄せています。

このことは、労働集約型のSM企業にとっては深刻な問題です。
しかし、このことはピンチでもありますが、改善意欲の高い企業にとっては、生産性を向上させるための、大きなチャンスであると思います。

ただ逆に、旧態依然として、今までのやり方を変えられない企業にとっては、急速に厳しさを増すことになるのではないかと考えられます。

ぜひこの機会を、『生産性を向上させる』ための行動変革の時と捉え、業務改善をスタートさせていただきたいと思います。


人時生産性が大きなキーポイント

厳しい商環境に打ち勝ち、今後も経営を成長発展させるためには、
⇒お客のウォンツ(欲しい)とニーズに答えるべく、マーケティング(差別化)に磨きをかけて粗利益高を上げる
⇒社内全体のオペレーションに改善を加えて、生産性の向上をはかる
ことに努力しなければなりません。

このことが実現できれば、今後、厳しい環境の中でも、着実に成長発展することが出来るでしょう。
特に、人件費率の高いスーパーマーケット企業においては、人時生産性を向上させるということが、経営基盤を強くするためには重要なことになります。
「投入人時に対する、価値創出の最大化をはかること」が重要であるという認識が必要です。


人時生産性の持つ意味と意義

上記のように、スーパーマーケットについては、人時生産性が低いということは、企業にとって大きな問題です。

人時生産性が低いということは、人件費率や労働分配率が高くなってしまっている状態です。
そして、働く従業員側にとっては、貰える給与(時給)が低くならざるを得ない状態と言えます。

世界的に見ても、日本の労働生産性は高くないと言われるようですが、多くのスーパーマーケット企業も例外ではありません。
そして、このことに対して、これまで、多くの企業が改善努力をしてこなかったということが言えます。(私のコンサルティングの経験からですが・・・)

ドラッグストアなど、他の小売り業態に比べて、人件費率が高いのがスーパーマーケットです。
人時生産性を向上させることは、競争力と営業利益の拡大に大きく関係します。
そのためには、オペレーション(作業と仕組み)の改善に優先順位を付けて、取り組むことが重要となります。

今後、企業のオペレーション力が、競争優位を左右することは間違いありません。


賃金が低いことが、本質的な問題!

従業員の賃金が高くなることは、基本的な問題では有りません。逆に低いことが問題です。

企業が抱える根本的な問題は、
個人やチームとして、『時給に見合う付加価値(粗利益高)を上げていないこと』です。
多くの企業が、そのことに気付いていない。
また、その改善のための方法を知らない。
結果として、その為の改善努力をしていない企業が多く存在しています。

人時生産性のアップのためには、
1.現状の粗利益高を、今より少ない人時(人件費)で達成させる
2. 〃 人時数(人件費)で、粗利益高を今より拡大させる
3.投入人時(人件費)を拡大して、それ以上の粗利益高を拡大させる
などが必要となってきます。

収益性が低下すると、どうしても、上記の1の方法(リストラ)を考えがちです。
しかし、生産性の低い企業では、時間の経過とともに、高い確率で弱体化に繋がってしまう場合が殆どです。
低賃金、低生産性では、企業の発展は望めません。

当然、2や3のように、生産性を高める方向で考えるべきです。
生産性を高めることができれば、確実に賃金を高めることが可能となります。

そうなれば、従業員の定着率も高くなり、新規採用の確率も高くなるでしょう。


新規採用が出来ない理由⁉

最近、「時給を高くても人(社員)が集まらない」という、経営層や現場の店長の声を耳にします。
原因一つのは、地域企業の中で、時給が低いからでしょう。
それと、地域において、何らかの理由で、その企業の人気が低いことも考えられます。

作業性や仕組みづくりができていないために、人時生産性の低い企業では、従業員に高い給料を払うことは出来にくいと言えます。

人時生産性=粗利益高÷投入人時数ですから、現場で働く従業員が稼ぎ出す一時間(人時)あたりの粗利益高が高くなければ、会社も、時給アップを限定的しか考えられません。
従業員側も、「給与が低い」と文句を言っても、稼ぎ高が低いのですから、上がる可能性は低いと理解しなければなりません。
しかし、ほとんどの会社でこの当たり前が、理解されていないのが実情です。

また、地方においては、大企業の工場も有ったりして、高い時給もさることながら、土日の休みということも、スーパーマーケットの採用を難しくしている原因とも考えられます。
しかしこれも、高い生産性のスーパーマーケット企業で、仕組みが整っている企業にとっては、さほど大きな問題ではないのです。


人時生産性を上げる方法

繰り返しになりますが、人時生産性は、会社全体として、「一人時当たりの付加価値(粗利益高)をどれくらい生み出したか」、ということです。

人時生産性を向上させる具体的方向性は、2つあります。
一つは、一時間あたりの『単純作業の量を増やす』ことです。
補充品出しや加工という様な、時間あたりの処理量を求められる作業の処理量を、全体として増やすことです。
一つひとつの商品が、低利益であっても、時間あたりの処理量が多ければ、全体としての粗利益高のボリュームがアップします。

もう一つは、『付加価値作業の質を上げる』ことです。
ここで言う付加価値業務とは、商品開発やマーケティングなど、付加価値を生むような業務と言われるものです。
会社全体の利益や、顧客生涯価値(顧客が長期間買い物を続けてくれることによって得られる利益)に繋がるような業務のことです。要するに『量』ではなく『質』が問われるものです。
営業マンの役割である『売るPOP』や『販売量を伸ばす試食販売』などもこれにあたります。

確実に生産性をアップさせるためには、全ての作業を棚卸しして、
① 『量』で生産性を上げるもの
② 『質』で生産性を上げるもの
とに、仕分けをします。
そして、効果性の高いものから、戦略的に改善を加えるのです。
ここでは、優先順位や役割分担が重要な要素になってきます。


高い賃金を設定できる仕組みづくり

これまでと同じ人時数で、多くの付加価値を生むことを考えてみてください。

時給が高いことが問題では有りません。
チーム全体の総人時当たりの生産付加価値の創出量、それが少ないことが問題であることは、ご理解いただけたと思います。
今後も続くであろう、人件費高騰と人手不足(人財不足)。
それを解消して、会社が発展するためには、
生産性の正しい理解と、目的を持った改善行動が、半年後、一年後の会社の体力を大きく左右することは、間違いありません。

■ 『スーパーの業務改善』 その他の参考記事
  ⇒ スーパーの業務改善入門
  ⇒ スーパーの業務改善


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