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新谷千里

高利益を出すスーパーマーケットにするコンサルタント

新谷千里(しんがいちさと) / 経営コンサルタント

有限会社サミットリテイリングセンター

コラム

最・重要戦略『教育投資』を怠るな!        成長する会社と縮む会社のちがいは、ここだ?

2024年3月27日

テーマ:スーパーマーケットの経営戦略

コラムカテゴリ:ビジネス

会社の業績は振るわない会社でも、現場には優秀な人、伸びる可能性の高い人がたくさんいる。
クライアントの現場に立って指導していると、私が期待する以上に行動してくれて、成長してくれる人がたくさんいる。それも短期間で、だ。
これは、1社や2社の話ではなく、これまで携わったほぼ全ての会社で言えることだ。

それは、経営者である場合もあるし、担当部長でもある場合もあるし、店長やバイヤー、そして、チーフまたパート社員の方々の中にも変化を起こし、びっくりするような業績を出してくれる人がいる。

一方、会社が従業員に対して、まともな教育を加えていなければ、個人個人のやる気と今持っている個人のスキルに頼る経営になってしまう。全体の成果も限られる。
これでは会社ではないし、組織ではない。非常に勿体ないことだ。

多くの人は、教えてあげれば、問題に気付き、理解し、行動し、成果を出してくれる。
このことは、私の20年以上のコンサルティングの経験から実感していることであり、紛れもない事実である。

■人が生産性・向上の要

経営資源で重要なものは、『人』、『もの』、『金(かね)』、プラス『情報』と言われる。

特にスーパーマーケットという業態においては、労働集約型であり、人件費率も当然高くなる。
そうであれば、人の生産性アップを考えて、それを向上させるために努力することが、経営上重要であることは間違いない。

現在の厳しい競争の中でも業績を確実に伸ばしている企業は、間違いなく人の生産性(特に人時生産性)が高いと言える。当然、そのための教育を計画的に、そして戦略的に行っている。
そのことにより、運営全般にムダが少なく、チームとしてまたリーダーシップを店長やチーフたちが取って運営を日々行っている。

逆に、教育がされてない現場においては、個々の動きにムダが多く、知識と能力の個人差も大きい。結果としてチーム力はアップしない。
そして、そもそも経営幹部がそのこと、そのムダに気付いていない。

■経営者の勉強(知識)不足と勿体ない現実

あるクライアントの笑えない事例だ。

惣菜部門のバックルームに高性能のフライヤーを導入している。
設定していれば、コロッケなどの揚げ物は自動で油の中から取り出される。間違いなく高性能の機械であるし、作業は楽になるし人時も削減される。

しかし、これは訓練や教育が確実になされている場合の話であり、機械に頼っているだけでは生産性は決して上がることはない。
冒頭に「笑えない」と言ったのは、この店舗の売場において、商品の売り切れがとても多い。要するに欠品して売上が立っていない。
そもそも、お客様から要望の高い商品が先に売切れる。
そうでない商品は、売場に陳列した時のままに放置されている。

要するに、部分最適化で、売場最適化という概念が無い。
人・もの・金の、「もの」である設備を投入すれば、生産効率が上がり、生産性が上がると思っている。
これは全く間違った考え方であり、社長のムダ遣いだ。

もう一度言うが、教育ができてない状態でいくら高性能のシステムや機器を導入したところで、現場ではメリットは出にくい。
それどころか会社のキャッシュフローを悪くするだけの話である。

節税対策なら少しは目をつぶっても、事例のような会社に限って生産性は低く儲かっていない。ほとんどの場合、経営者は損益計算書をまともに見ていない。
さらに言えば、従業員の給料も低い。(場合が多い)

■POSは、「データで稼ぐ(げる)」ことを知らない

多くのスーパーマーケットの現場でPOSデータが活用されていない。

また、使っている場合でも、それを「成果に結びついている」ことは非常に少ないと言える。

指導先で「POSデータを活用しているか」を聞いてみると、ほとんど使ってない場合が圧倒的に多い。
売上を確認したり程度はしているが、単品管理となると、その比率は極端に低くなってしまう。
ほとんどの場合は、POSシステムにそのような機能があること自体を知らない。

当然のことながら、よほどの意識が高くない限りは、在庫を適正に保つことや商品の適正製造(陳列)数を指示することを正確にやることは難しくなる。

発注量や製造数を設定することや、売場の陳列量を適正に保つことにおいては、単品ごとの販売実績データは非常に重要であるし、役に立つ。
また、単品ごとの販売データの確認と売場の実地確認を相互に行い、各時間帯別の陳列量を決定し、適時適正な製造数を指示することで、売上を大幅にアップすることが可能となる。
結果として、商品の値引きロスや廃棄ロス、また欠品のチャンスロスを大幅に減らすことができて、粗利益を飛躍的に伸ばすこともできる。

■店舗レイアウトの決定は、その後の生産性を決める

店舗レアウトは、「生産性を考える上でも、売上をアップさせるという意味でも、非常に重要な技術である」と言える。

新規出店や店舗リニューアルにおいても、その投資額は大きなものになる。
売場のレイアウトは、客動線やマグネット売場の配置など売上に大きく関わり、バックルームのレイアウトにおいては、作業効率に大きく関わることとなる。

ところが、レイアウトの基本原則の勉強をしてないと、部分最適化に終わり、全体としての成果を上げることは望めなくなってしまう。
要するに生産効率を落としてしまうことに繋がり、投資対リターンが大幅に低下してします。

事実、私のコンサルティングの現場においては、設備の設置位置変更や陳列什器の修正やバックルームのレイアウト変更などの事例も多く、重要な改善課題になる。
また、それによって大幅に売上を伸ばしたり、作業効率を上げたりと、生産性を大幅に向上させることが出来る。

逆に言えば、新店舗や店舗リニューアルの時に基本原則を勉強していれば、それ自体が成果を大きく変えることが出来るし、ハイ・リターンを実現できる。

投資額の大きさから考えても、自分の趣味や店舗デザイナーからの受け売りだけで、店舗レイアウトを完成させてはいけない。
多くの実績を積んでいる専門化(レイアウトマン)の意見を聞くべきだ。

■少ない時間とお金で成果を最大化する?

人は、知識の習得によって、思考が変化して、行動が変わり、結果を大きく変えることに出来る。
また、その知識の種類が多くなれば、それらの組み合わせによって多くのアイデアを生むことが出来るようになる。
そしてさらに、そこからの実践を繰り返すことによって、個人の能力は確実に向上することとなる。

私たちコンサルタントも例外ではなく、知識の習得によって仕事の幅が広がり深さを増すことになる。
そして、結果を大きく変えることに繋がってくる。
また、時間とお金のムダも少なくなる。

要するに、「少ない時間とお金」の投資で成果を出し、その最大化を実現できることが出来るようになる。

スーパーマーケットの場合は、労働集約型の業態であり、個人個人の知識やスキルの習得は、会社全体の生産性に大きく関わることになる。
正しい知識は結果として、会社の収益を向上させて、利益を拡大することによって、従業員一人一人の報酬を高くすることができる。

また、そのことによって、個人のモチベーションが上がり、さらに生産性を高める方向に向かうとことになる。

そしてまた、業績を上げるということばかりではなく、理念やコンセプト、戦略を皆が正しく理解すれば、さらにムダな行動が少なくなり、顧客に向き合う時間が増えて、中長期的に生産性を高めることになる。

■必要とする知識や技能は何か?

今回いくつかの事例を紹介したが、これはほんの一部の事例である。

多くの現場では、
「知識を習得していれば・・・?」
「もっと簡単に成果を出せるのに」という場面が山ほどある。

今後の厳しい競争の中で、確実に成果を出し成長するためには、他所の売場を見て真似する以前に、もう一度社内を見渡し、課題や問題点に向き合い、
「何が問題か?」
それを解決するために、
「必要とする知識や技能は何であるか?」
を真剣に見つめ直す必要がある。

そしてそこに、政略的に全力で教育投資を行う。
また、「部下の教育と訓練」を定時定例で行っていくことが、会社の成長には一番重要な戦略であり、確実に成長の可能性を高めることになる。


さて、あなたの会社は、戦略的に教育投資をしているだろうか?
そして、それらは社員の成長に繋がり成果を拡大しているだろうか?


もし、そうでなければ、ここを見直すことが、一番先にやるべきことではないだろうか?

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