使用者のための労働問題 就業規則を変更したときの附則の書き方
過半数代表者選出方法
Q 当社は、労働者の労働時間を延長し、又は休日に労働させることができるようにするために、三六(サブロク)協定(労働基準法第36条に基づく協定)を結びたいと思っていますが、その事業所には労働組合はありません。しかし、当社には、役員や労働者全員から成る親睦団体があります。その親睦団体の代表者は、役員ではありません。そこで、当社は、その親睦団体の代表者を過半数代表者として、三六協定を結ぶつもりです。問題はありますか?
A
おおいに問題があります。最高裁判所平成13年6月22日判決は、会社が役員を含む全従業員により構成される親睦団体の代表者を、過半数代表者として締結した36協定を無効と判示しているからです。
過半数代表者は、労働基準法施行規則6条の2により、
①法41条2号に規定する監督又は管理の地位にある者でないこと
②「法に規定する協定等をする者を選出することを明らかにして実施される投票、挙手等の方法による手続により選出された者であって使用者の意向に基づき選出されたものでないこと
とされています。
このため、過半数代表者の選出に当たっては、
(ア)労働基準法上のどの規定に基づく代表者の選出であるかを明らかにすること
(イ)投票や挙手などの民主的手続により過半数代表者を選出すること(使用者の意向に基づいて選出しないこと)
が必要です。