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目的外行為の有効性について

菊池捷男

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テーマ:会社関係法

質問
株式会社が、定款の目的に書いていない事業をすると、それに関する契約は、すべて無効とされるのか?

回答
たしかに、会社が定款に記載されている目的以外の事業をした場合には,会社の権利能力を超える行為であるとして,当該事業に係る契約は無効であるとされる可能性が生じます。
民法34条は,「法人は、法令の規定に従い、定款その他の基本約款で定められた目的の範囲内において、権利を有し、義務を負う。」と規定され、株式会社は法人であるため,定款において定められた目的の範囲外の行為は無効と解される余地があるからです。
 しかしながら、判例は、株式会社の定款の目的条項を弾力的に解釈し,「定款の記載事項から推理演繹しうる事項」・「会社目的の達成に必要な事項」は目的の範囲に含まれ(大判大正元年12月2日),かつ,会社の目的遂行に必要か否かは行為の外形から見て客観的に判断すべきものである(大判昭和13年2月7日)と解していますので,実際には会社の行為が目的外であるとして無効になる場合というのは極めて限られていると考えられます。
とはいえ,会社が新たにしようとする事業が、目的の範囲内の行為かどうか不確かなのはよくありません。定款の目的に記載した上で事業として開始するべきでしょう。

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菊池捷男
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菊池捷男(弁護士)

弁護士法人菊池綜合法律事務所

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