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2020/08/31 経済指標からわかるアメリカの多様性

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テーマ:菊池捷男のガバナー日記

2020/08/31 経済指標からわかるアメリカの多様性

昨日付の日記「多様性なくして成長なし」に書いたのは、我が国の経済的地位の低下の原因の一部が、多様性の欠如ないし希薄さにあるとする出口治明さんの見解であるが、私の手元には、たまたまアメリカの経済面での指標があるので、ここから分かるアメリカの多様性を紹介しておきたい。

1.アメリカの成長力の高さ
日経新聞19/6/15の報ずるところでは、アメリカの2018年のGDP(国内総生産)の成長率は2.9%、日本は0.7%であり、アメリカのGDPの成長力は、相当高いことが分かる。

2.寄付額の高さ
日経新聞19/6/25によれば、米国の寄付の規模は、GDPの約2%であるという。そして2018年での全体の寄付額は、邦貨にして46兆円で、その68%に相当する2920億ドルは個人が拠出していることである。

3.米企業のCEOの役員報酬の高さ
日経新聞20/07/19の報ずるところでは、米国のCEOの役員報酬が日本の社長の約12倍であることを報じているが、日経新聞19/06/25ではこれが11倍であったので、直近1年間で日米の会社のCEOの報酬の格差が、さらに拡大していることが分かる。

4.移民の絶えざる増加
日経新聞19/6/15の「アジア系米国人、15年で72%増 世帯年収、米全体上回る」が報ずるところによると、アジア系移民の数は1965年で全移民数の5%だったものが、2015年には26%にまで高まったこと、移民の2015年時点での数は2040万人、全人口の6%であること、働く場所はIT産業などで目立っているとのこと。アジア系移民の年収は、世帯平均で790万円、米国全体の平均を4割近く上回るとのことである。

5.GAFAの競争力の大
日経新聞19/6/7の「米IT、経営効率高く」を読むと、GAFA4社が2018年に挙げた営業キャッシュフローは20兆円、それに対して投資キャッシュフローは4兆円止まり、その差額の16兆円は株主還元や貯蓄に回っているとのことである。

これらは、少し古い(2019年の)エビデンスであるが、日米の指標の差は大きい。
その差を作り出したものの全部が多様性とはいえないが、移民の増加による優れた人材の確保などは、多様性を受け入れることそのものといえよう。

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