クイーン・エリザベス号乗船記③ 寄港地
社会福祉法人については,近年制度改革が実施され,経営組織のガバナンスを強化するべく,議決機関としての評議員会が必須のものとされ、社会福祉法40条2項は,「評議員は、役員又は当該社会福祉法人の職員を兼ねることができない」と定めていますが、これは,評議員が,理事・理事長に対する牽制機能を発揮する必要があるから置かれた規定です。
私立学校法人については、評議員会は,学校法人の運営に関する重要事項についての諮問機関で,必置機関とされ,理事定数の2倍を超える数の評議員をもって組織することとされています(私立学校法41条2項)。このような制度とされたのは,「学校法人の公共性を高めるためであり,仮に全理事が評議員を兼任した場合であっても,評議員会が理事会とは別の第三者による合議制の機関として有効に機能し得るように配慮したためとされてい」ます(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/daigaku/002/houkoku/03080703/004.htm)。
このように,社会福祉法人にあっては、理事と評議員の兼任はできず、他方、学校法人にあっては、理事と評議員の兼任はできるとされています。
しかし、評議員会は、理事会とは別個独立の機関として理事会を「監視」「牽制」することが期待されていることを考えると、極力、両者の兼任は避けるべきものと思われます。