コラム
生命保険金
2018年9月25日
1 民法(相続法)の問題
生命保険金は、相続財産ではありません。
受取人固有の財産です(最高裁判所平成14.11.5判決)。
ですから、相続放棄をした相続人であっても、生命保険金を受け取ることは可能です。
2 税法の問題
(1)保険料の負担者が、被相続人の場合
被相続人が保険料を負担した場合の生命保険金は、生命保険金控除後の金額が、相続税の課税遺産額になります。
なお、生命保険金控除は、相続人の数×500万円です
(相続税法3条1項1号及び同法12条1項5号)。
(2)保険料の負担者が、保険金の受取人の場合
この場合は、受取人の一時所得とされています(所得税法基本通達34-1(4))。
(3)保険料の負担者が、それ以外の者である場合
この場合は、保険金受取人は、贈与により保険金を取得したものとみなされます。
したがって、この場合は、相続税の問題にはなりません(相続税法基本通達3-16)。
第二 生命保険金が、相続税の問題になる場合
ⅰのステップ
それは生命保険金控除後の金額(保険金3000万円で、相続人が2人いる場合は、3000万円-500万円×2=2000万円)が、相続税の課税遺産額に加算されるという形になります。
ⅱのステップ
なお、相続税には、3000万円+相続人の数×600万円の基礎控除額がありますので、相続税の課税対象になる遺産の額から基礎控除額を控除した残高が0かマイナスの場合は、相続税がかからず、申告の必要もありません。
関連するコラム
- 相続の限定承認をした場合の税金問題 2015-10-11
- 相続税対策と従業員持株会 2016-10-06
- 贈与にかかる税金4題 2015-10-10
- 遺産分割のやり直しと税金問題 2015-10-09
- 不動産の相続をする場合と,遺贈を受ける場合では,税金が違うの? 2015-10-15
コラムのテーマ一覧
- 時々のメモ
- コーポレートガバナンス改革
- 企業法務の勘所
- 宅建業法
- 法令満作
- コラム50選
- コロナ禍と企業法務
- 菊池捷男のガバナー日記
- 令和時代の相続法
- 改正相続法の解説
- 相続(その他篇)
- 相続(遺言篇)
- 相続(相続税篇)
- 相続(相続放棄篇)
- 相続(遺産分割篇)
- 相続(遺留分篇)
- 会社法講義
- イラストによる相続法
- 菊池と後藤の会社法
- 会社関係法
- 相続判例法理
- 事業の承継
- 不動産法(売買編まとめ)
- 不動産法(賃貸借編)
- マンション
- 債権法改正と契約実務
- 諺にして学ぶ法
- その他
- 遺言執行者の権限の明確化
- 公用文用語
- 法令用語
- 危機管理
- 大切にしたいもの
- 歴史と偉人と言葉
- 契約書
- 民法雑学
- 民法と税法
- 商取引
- 地方行政
- 建築
- 労働
- 離婚
- 著作権
- 不動産
- 交通事故
- 相続相談
カテゴリから記事を探す
菊池捷男プロへの
お問い合わせ
マイベストプロを見た
と言うとスムーズです
勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。