コラム
バブル経済やリーマンショックの反省は?
2018年8月20日 公開 / 2018年8月22日更新
1 リーマンショック起こる
2008年9月15日,アメリカの投資銀行であるリーマン・ブラザーズが,倒産しました。
同社は、サブプライムローンという、低所得者向けの不動産融資をしていた会社ですが、この倒産により、邦貨換算64兆円という巨額な債務を残して倒産したのです、
2 リーマンショックの予兆
リーマンショックの予兆はありました。
サブプライムローンは、回収に支障を来すようになるのではないかという不安がもたれ、NYダウ平均は、2007年以降下げてきていたのです。
3 リーマンショックの株式市場に与えた影響
リーマンブラザーズの倒産により、NYダウ平均株価は,半年後の2009年3月にリーマンショック前の高値からは53%低い6626ドルまで暴落しました。
日経平均株価も,9月12日(金曜日)の終値12,214円から10月28日には6,994円まで42%も下落し,26年ぶりの安値を記録しました。
それだけでなく、わが国は、それ以後,円高と輸出の急減で不況色に塗り込まれました。
4 リーマン・ブラザーズのその後
それから10年が経ちます。
この間、リーマン・ブラザーズは、債権者に累計1246億ドル(約13兆8000億円)を弁済してきているようです(山陽新聞平成30年8月15日報道)。
当初の弁済計画(2011年末米連邦裁判所認可)が約650億ドルということですので、計画の2倍近い金額の弁済をしたことになります。
計画よりも多くの弁済ができたのは、保有する資産価格の値上がりが原因です。アメリカの好景気が背景にあります。
5 日本も同じ轍を踏んできた。
実は、わが国は、1986年(昭和61年)12月から1991年(平成3年)2月までのバブル景気という時代を経験し、その後バブルの崩壊と失われた10年とか、失われた20年とか言う不景気時代を迎えましたが、これらは金融機関の過剰融資が原因で生じたもので、その点、リーマンショックに似ています。
6 スルガ銀行よ、お前もか?
本年8月15日のマスコミ報道によりますと、これまでに発覚した、スルガ銀行のシェアハウス投資を巡るずさんな融資問題に関し、金融庁がスルガ銀行の不動産融資業務の一部停止命令の検討に入ったことが報じられていますが、お前もか?といいたくなるニュースです。
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