改正法の下では、特別損害の範囲が変わる 主観から客観へ
1 無効の主張から取消の主張に。大改正
錯誤があって、契約を結んだ場合、改正前は、無効という主張ができ、この主張は事件的制限がないものでしたが、改正法は、取消ができるだけとなりました。
時間制限は取消ができることを知った時から5年間に限られました。
また、改正法、錯誤の中で最も多い「動機の錯誤」の定義も明らかにするなど、錯誤規定を充実させました。
参照条文
民法95条 意思表示は、次に掲げる錯誤に基づくものであって、その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであるときは、取り消すことができる。
一 意思表示に対応する意思を欠く錯誤
二 表意者が法律行為の基礎とした事情についてのその認識が真実に 反する錯誤(筆者注:動機の錯誤)
2 前項第二号の規定による意思表示の取消しは、その事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていたときに限り、することができる。
3 錯誤が表意者の重大な過失によるものであった場合には、・・・第一項の規定による意思表示の取消しをすることができない。
(取消権の期間の制限)
第126条 取消権は、追認をすることができる時から5年間行使しないときは、時効によって消滅する。行為の時から20年を経過したときも、同様とする。