債権法改正 大改正。債権の原則的な消滅時効期間は5年になる。短期はなし
1 「いついつまでにご返事ください。」と、承諾するかどうかの回答期限を決めた契約の申込みは、期限までは撤回できません。
ただし、「貴社の承諾の意思表示をするまでは、申込みを撤回することはあります。」と書いた場合(撤回権を保留した申込みの場合)は、承諾前ならいつでも撤回ができます(523①)。
2 なお、期限を定めた契約の申込みは、期限までに承諾の通知を受けなかったときは、効力がなくなります(523②)。
3 期限後の承諾は、契約の成立には至りませんが、これは新たな契約の申込みになります(524)。
ですから、期限後の承諾(相手方からの契約の申込み)に承諾を与えると、その時点で契約が成立します(524条)。
4 期限を決めなかった申込みも、「相当期間」が経過するまでは撤回できません。撤回権を留保した場合はできますが(525①)。
5 対話における場合は、対話が継続している間は、いつでも撤回することができます(525②)。対話中に、相手方から承諾の意思表示がなかった場合は、その申込み効力を失います。ただし、申込者が対話の終了後もその申込みが効力を失わない旨を表示したときは、この限りではありません(525③)。
例:Aの言い分 → あのとき(対話のとき)、君(B)は売ってくれるといってたじゃないか。そしてボクは今買うと言っているんだ。だから売買契約を成立したよ。
Bの言い分 → いいや、対話のとき、君(A)は買うとは言わなかっただろう。だから、契約の話はなかったことになるのだよ。
Aの言い分 → しかし、君は別れるとき、ボクが買う気になったら言ってきてくれ、そのときは売ってあげるからね、と言っただろう。だから、ボクは今買うと言っているんだ。だから契約はこの瞬間に成立したよ。
→ 正解はAの言い分。
6 申込者が申込みの通知を発した後に死亡したような場合は、その申込みの効力は生じないことになります(526)。
例:Aの言い分 → 確かに、君のお父さんは、それを売ると言ったよ。だから売ってくれ。
Bの言い分 → いいや、その後父は亡くなったのでね、それまでに君は買うとは言わなかっただろう。だから、父の売買契約の申込みは無効になったんだよ。 → 正解はBの言い分
7 承諾の通知を必要としない場合(契約書又は取引慣行で)は、相手方の行動から推測して、承諾の意思表示と認めるべき事実(売買契約の申込みの後で売買の対象物を送ってきた場合など)があった時に成立します(527)。
8 申込みを受けた側が、申込みの内容に変更を加えた承諾をした場合は、申込みの拒絶とともに新たな申込みをしたものとみなされます(528)