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コーポレートガバナンス・コード改革が動き始めた① 子会社を上場させるなという意見が出始める

菊池捷男

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テーマ:会社関係法

1 子会社の上場は認めるべきではないという意見
2018/6/29付日本経済新聞の「株主解剖(2)親子上場 ゆがみ突く 経営改善、ファンドが要求」によれば、 親会社と子会社の双方が上場することは欧米でほとんどみられない日本独特の資本政策であり、これは企業統治や株価形成の面で問題も多く、投資家から見直しを求める動きが相次いでいると報道されていますが、具体的なケースとして、物言う株主の一社である大和住銀投信投資顧問のファンドマネージャーが「親会社は上場子会社の株式を買い取って完全子会社にするか、持ち株を売却するか明確にすべきだ」との意見が表明されているようです。

これらのマスコミの論調やファンドマネージャーの意見は、要するに、子会社は親会社が安定株主となっているので、いわゆる「物言う株主」の批判に曝されることによって成し遂げるべき会社の改革ができないじゃあないか、という考えから出たものと思われます。

この動きは、上場会社には安定株主の存在を認めない。上場会社の経営陣は、業績を上げればストックオプションなどで大きな利益を得るチャンスがあるが、業績が悪ければ解職も覚悟すべきだ。という、コーポレートガバナンス・コード改革によって触発された意見であると思われます。

今後、このような意見は増え、次の問題になっていくことは必至でしょう。
注目したいと思います。

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菊池捷男(弁護士)

弁護士法人菊池綜合法律事務所

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