景品表示法違反② 課徴金制度の導入と初適用事例
2 会社法の条文構成
これは第一編から第七編にわたる。
第一編「総則」
第一章として、すべての種類の会社に共通に適用される「通則」を置き、第1条では会社の「趣旨」を規定し、第2条では34の用語の概念定義をしている。
第二章以下では、会社の商号(6条~9条)、支配人・ある種類又は特定の事項の委任を受けた使用人、代理商(10条~20条)、事業譲渡と競業禁止(21条~24条)について規定している。
(1)商法の規定と会社法の規定の違い
第二章の規定は、旧商法時代には商法総則の中にあったが、会社に関する法律関係は、会社法の中で完結的に規定する趣旨から、会社法の条文の中に取り入れた。しかし、会社ではない個人事業者のために、現行商法の総則の中にも同じ規定が残されているものもある。ただし、同じものであっても、新会社法では「事業譲渡」といい、個人企業が行う商法では「営業譲渡」という(商法16条)など、違った用語が使われることもある。
(2)古い用語の廃止
平成17年に新会社法ができるまでは、「番頭、手代」という江戸時で使われていた言葉が旧商法の中に規定されていたが、時代錯誤だという批判があって、「ある種類又は特定の事項の委任を受けた使用人」という言葉に訂正された。一般には、部・課長クラスの従業員と思えばよい。
第二編「株式会社」
第二編は、会社法のメインの規定といえるが、ここでは、株式会社に適用されるものを定めている。
第一章は、株式会社の設立に始まり(会社25条)、第九章の清算(会社574条)まで規定している。
注目を引くのは、第三章に「新株予約権」を入れている点である。旧商法では、新株予約権は、株式の添え物のような位置づけであったが、会社法は、独立の章を設けて、新株予約権の発行、譲渡、行使、新株予約権証券等について詳細に規定する。これは、今日のM&A時代において、新株予約権が企業防衛等に重要な役割を果たすことを考慮してのことである。
第三編「持分会社」
持分会社とは、会社法で新たに登場した用語であるが、合名会社、合資会社、合同会社(LLC)を総称する用語である。
第四編「社債」
社債に関する規定である。旧商法時代は、社債は、株式会社のみが発行できたので、株式会社に関する規定の中に置かれていたが、会社法では、持分会社も社債を発行できることになったので、独立の編として規定された。
第五編「会社の組織変更」
合併、会社分割、株式交換及び株式移転、合併、会社分割、株式交換及び株式移転は、総称して組織再編と呼ばれるが、M&Aに必要な手段として使われる。
第六編「外国会社」
第七編「雑則」
雑則の中には、会社の訴訟に関する条文や、特別清算の手続き、登記、公告に関する条文がある。旧商法では、設立無効の訴え、新株発行無効の訴え、合併無効の訴え、株主代表訴訟など、会社関係の訴訟は、それぞれの関係条文の近くにバラバラに規定されていたのを一箇所にまとめたのである。これによって会社訴訟関係の規定相互の比較が容易になった。