会社法の歴史 1 はじめは「商法」であった 「商法」はドイツ法に倣ったものだった。そして、戦後・
菊池:のう、後藤!会社を上場させるメリットは何だい。
後藤:メリットは、大きく分けると、二つある。一つは、エクイティ・ファイナンス(直接金融)を可能にすることだ。エクイティ・ファイナンス(直接金融)とは、会社が銀行等を介在させず、株式や債券等を発行し、直接証券市場を通じて資金を調達することだが、公募増資をする場合、調達した資金は会社の資本金か資本準備金になるから、返済は不要なので、考えようによっては、返済をしなくともよいお金が調達できるということだ。なお、銀行からお金を借りることはデッドファイナンス(間接金融)といわれるyよ。もう一つのメリットは、知名度を上げ、信用力を強化することができることだ。なお、創業者利益、すなわち、創業者が上場後株式の新規公開時に、保有する自社株式を売り出すことで得る利益もあるが、これは創業者個人にはメリットになるよ。
菊池:では、デメリットは?
後藤:上場に伴う費用、上場を維持する費用がかかることや、別に解説したコーポレートガバナンス・コードを遵守する義務を負うことなどがあるよ。また、会社を上場すれば、買収されるリスクが生ずるが、これは創業者にとってはデメリットといえるだろうね。