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会社法上のツールの使い方についてのQ&A 1 黄金株

菊池捷男

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テーマ:会社関係法

第1 黄金株
Q 事業承継のツールとして黄金株があるという話を聞いたことがあますが、どういうことですか?
1 意味
黄金株(Golden Share)とは、その株式を1株持っているだけで、株主総会の決議や取締役会決議の効力を生じさせない株式、いわゆる「拒否権付種類株式」(会社法108条1項8号)のことです。
黄金株の内容、つまり、黄金株の株主が拒否できる決議は、定款の中で定めておく必要があり、また、登記事項になっていますので、登記簿を見れば分かるようになっています。その内容が、例えば、「取締役の選任や解任」である場合、大多数の株主が特定の甲という人物を取締役に選任又は解任をしたいと考えて株主総会を開いても、黄金株の株主が反対すると、それはできません。
2 活用方法
例えば、オーナー社長が、子に、株式の過半数を譲渡しても、たった1株の黄金株を持つことで、会社の実質的支配権を残せます。オーナー社長自身が過半数の株式を持ち続けることは必要ないため、株式という資産は、暦年贈与制度を利用して、毎年計画的に子に移転しながら、会社支配の実権は、オーナー社長が亡くなるまで、持ち続けることができるのです。
なお、黄金株は、ベンチャー・キャピタル(将来上場を目指すベンチャー企業に投資し、上場することによる創業者利得を狙った投資会社又は投資ファンド)が、投資先の経営を間接的にコントロールするために活用されることもあります。

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菊池捷男
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菊池捷男(弁護士)

弁護士法人菊池綜合法律事務所

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