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菊池捷男

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菊池捷男(きくちとしお)

弁護士法人菊池綜合法律事務所

コラム

民法改正が賃貸借契約に与える影響 3 賃料が当然に減額となる場合(改正)

不動産法(賃貸借編)

2017年12月14日

1 民法611条の改正内容
改正された民法第611条は、
1項で、
「賃借物の一部が滅失その他の事由により使用及び収益をすることができなくなった場合において、それが賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは、賃料は、その使用及び収益をすることができなくなった部分の割合に応じて、減額される。」
2項で、
「賃借物の一部が滅失その他の事由により使用及び収益をすることができなくなった場合において、残存する部分のみでは賃借人が賃借をした目的を達することができないときは、賃借人は、契約の解除をすることができる。」
と改められました。
.
2 改正前との違い
⑴ 1項について、
賃料の減額の原因が、
改正前は、「滅失したとき」だけだったのが、
改正後は、「滅失その他の事由により使用及び収益をすることができなくなった場合」に改正されて、その範囲が広がったほか、
改正前は、「減額請求ができる」だったのが、
改正後は、「減額される」になっています。
これは、賃借物の一部の使用収益ができない場合は、請求の有無にかかわらず、賃料は減額されるという、当然の改正です。

⑵ 2項について、
改正前は、賃借人の過失によらない滅失の場合のみ「契約の解除ができる。」という規定でしたが、改正法は、賃借人の過失による場合であっても「契約の解除ができる」というものに変わりました(賃借人の責任で解除原因をつくった場合は、賃借人に損害賠償義務が生じますが、これは別論です。)。これも当然の改正といってよいでしょう。

3 新たな問題
 改正法では、賃借物の一部につき使用収益ができない場合が広く、賃料減額の原因になったことから、エアコンの故障、漏水など賃借物の一部使用不能だけでなく、道路工事による外部的な条件による一部の不能(なお、全部の使用不能の場合は当然賃料は0になります。)の場合も賃料減額の理由にされる可能性が出、争いが生ずるものと思われます。

4 任意規定なので特約が優先
 民法611条も、特約でその内容を変更できる任意規定です。
 3で述べたように、賃料減額理由が広がった分、争いも増えることになりますので、契約書で、具体的に賃料減額理由を限定する規定を置くとよいでしょう。
また、1項が定める賃料の減額を、1項で定める「その使用及び収益をすることができなくなった部分の割合に応じて」(面積比)でなく、別の定め方もあると思われます。

ご相談は弁護士法人菊池綜合法律事務所へ!

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