人は,複眼をもって,ものを見るべし。ゆめ,素封家への道を行くを,正義に反するというなかれ
子はいずれもが可愛い。そんな思いから後継者を決めかねている経営者や,後継者は決めてはいるがそれ以外の子をどう処遇すべきか全く決めることのできないため,後継者へ,何を引き継がせるかも決め得ない,経営者がいます。
否,現実の経営者は,このような迷いの中にいる人の方が多いという印象を持っています。
会社法でできる,定款に書く株主の属人的扱い,後継者と定めた子の経営権を揺るがすことはない,他の子らへの株式買取請求権付種類株式の発行など,選択できるメニューが目の前に与えられ,さあ,どのメニューを選択をされますか?と,決断を求められても,決断ができないという経営者です。
結局のところ,そういう経営者は,決断できないまま,亡くなってしまうということが多いのですが,その後は,支柱を失うと必ず内争始まる,という譬えのとおり,お家騒動になっていき,企業の業績にも大きく響くことになっていくことにもなりかねないのです。
後継者問題では,経営者は,躊躇,逡巡することなく,“元気なうちに決断すべきこと”があるのです。