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事業の承継10 会社の情報を入手する方法① 商業登記・株主名簿・定款

菊池捷男

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テーマ:事業の承継

1 商業登記
会社の情報を得る最も速い方法としては,商業登記があります。
平成26年の改正会社法で,登記すべき事項が増えております。
監査役の監査範囲が限定されているかどうかは,登記で確認できることになりました(会社法911③17イ)。

参考 
会社法911条 (中略)
     3 第一項の登記においては、次に掲げる事項を登記しなければならない。(中略)
    十七 監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)であるときは、その旨及び次に掲げる事項
 イ 監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社であるときは、その旨
 ロ 監査役の氏名

 しかしながら,登記事項を知るだけでは,会社情報のすべてを知ることはできません。
例えば,取締役解任の決議要件が,法定のものより加重されたものである場合などは,定款を見ないと分かりません。
それを知るには,定款を見なければなりません。

2 定款(会社法31条)
定款を見れば,商業登記では得られない情報がたくさん分かります。
株主と債権者は,定款の閲覧や謄本などの交付請求ができます。
参考
会社法31条 株式会社は、定款をその本店及び支店に備え置かなければならない。
 2 株主及び債権者は、営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。
    一 定款が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧の請求
    二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求
    三 定款が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求

3 株主名簿(会社法第121条,125条)
株主構成を知りたくば,株主と債権者は,株主名簿も閲覧・謄本などの交付を請求できます。
参考
会社法121条 株式会社は、株主名簿を作成し、これに次に掲げる事項(以下「株主名簿記載事項」という。)を記載し、又は記録しなければならない。
(以下略)
2 株主及び債権者は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。
一 株主名簿が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求
二 株主名簿が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求

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菊池捷男(弁護士)

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