遺言者が故意に赤斜線を引いた遺言書は無効
貸金庫の開披は,相続人全員でするか,又は相続人全員の合意により1人の相続人がする場合でないと,銀行は協力してくれません。
しかし,遺言書で,特定の者又は遺言執行者に貸金庫を開披する権限を与えている場合は,その者又は遺言執行者において貸金庫の開披手続をとることはできます。
その遺言事項は,次のようなものになります。
第○条 遺言者は、遺言執行者に対し、本遺言を執行する為、次の権限を与える。
① この遺言を執行するため、相続人の印鑑登録証明書付き同意書を要することなく、金融機関における遺言者の権利に属する貸金庫を開披し、その内容物を取り出して遺言執行する権限、及び同貸金庫契約を解約する権限。
②遺言者名義の一切の預貯金債権について、名義変更し、必要な範囲で払い戻し手続きを行い、払戻金を受領すること。
③その他本遺言執行に必要な一切の事項
(本条は「公正証書遺言例」より引用)