使用者のための労働問題 就業規則を変更したときの附則の書き方
団体交渉は,1回で済むというものではありません。回を重ねていくものです。
ですから,団体交渉期日ごとに,その期日調書を作成するべきです。これは通常「議事録」といっております。
当事務所は,団体交渉で,使用者側の代理人として出席することが多いのですが,毎回議事録を作成しています。
議事録を作成する目的は,①その期日に確認したこと,➁次回期日に当事者(多くの場合使用者側)が準備すること,③合意(交渉の手順に関する手続上の合意や,解雇を撤回するなど内容にわたる合意など)に達したことを記録に残し,それを前提に,次回期日の交渉を深めていくためです。それに,多いのが,④争点を明確にして労使双方の主張を簡潔に記録することです。
とくに,この4番目の争点を書いておくことは重要です。
これは,平行線を辿り妥協の見込みのない議題について,いつまでも議論を重ねる無駄を省くために必要だからです。
先日も,あるテーマについて,(a)組合の要求の要旨及びその理由の要旨,(b)それに対する使用者の回答及び理由の各要旨,さらに(c)その争いが決着つく見込みがないことを理由に使用者側からそのテーマについての団体交渉打ち切りの提案をしたこと等を議事録に書きましたが,これらのうち(a)及び(b)は①の,(c)は④の例です。