(補説) 固定資産税等が高いと思ったときの争い方
1 効果公租とは固定資産税と都市計画税
公租公課とは、国や地方公共団体に納める負担の総称です。
一般的には「公租」が「税」で所得税や住民税などを意味し、「公課」は「料」で健康保険料や社会保険料を意味するのですが,不動産売買契約書に書かれた公租公課は,通常,固定資産税と都市計画税を意味します。
厳密にいえば,不動産取得税も公租になりますが,不動産取得税は地方税法第73条の2第1項に「不動産取得税は、不動産の取得に対し、当該不動産所在の道府県において、当該不動産の取得者に課する。」と規定されていることから明らかなように,不動産を買い受けた買主に課されるものですので,契約書に書かれた公租の中には含まれないのが一般的です。
2 納税者
固定資産税と都市計画税の納税者は,外形主義が採用されていますので,真の所有者かそうでないかを問うことなく,毎年1月1日における登記簿上の所有者が納税義務者になります(地方税法343条)。納税者は,その年の4月1日から翌年3月31日までの会計年度に4期にわたって課税されることになります。
3 売買契約における分担合意
「本売買物件に対して課せられる公租公課は,売買契約の日の属する年の1月1日を基準に,引渡しの日までの分を売主が,その翌日からの分を買主が負担することにして,買主は売主に対し,売買残代金を支払う時に精算するものとする。」などと書かれます。
このような条項が入っていると,売主は,買主に公租公課の精算を請求することができますが,このような条項が入ってない場合は,難しいと思われます。