債権法改正 不法行為による債権と人損についての時効の改正点
(目的物の種類又は品質に関する担保責任の期間の制限)
第566条 売主が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない目的物を買主に引き渡した場合において、買主がその不適合を知った時から1年以内にその旨を売主に通知しないときは、買主は、その不適合を理由として、履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。ただし、売主が引渡しの時にその不適合を知り、又は重大な過失によって知らなかったときは、この限りでない。
【コメント】
現行法の「隠れた瑕疵」という言葉に代えて,「種類又は品質に関して契約の内容に適合しない目的物」という言葉が使われることになったので,契約の内容が極めて重要になる。
(目的物の滅失等についての危険の移転)
第567条 売主が買主に目的物(売買の目的として特定したものに限る。以下この条において同じ。)を引き渡した場合において、その引渡しがあった時以後にその目的物が当事者双方の責めに帰することができない事由によって滅失し、又は損傷したときは、買主は、その滅失又は損傷を理由として、履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。この場合において、買主は、代金の支払を拒むことができない。
2 売主が契約の内容に適合する目的物をもって、その引渡しの債務の履行を提供したにもかかわらず、買主がその履行を受けることを拒み、又は受けることができない場合において、その履行の提供があった時
以後に当事者双方の責めに帰することができない事由によってその目的物が滅失し、又は損傷したときも、前項と同様とする。
【コメント】
1項は,は現行法の危険負担の債権者主義が働く時点を「その引渡しがあった時」と定め,明確にしたもの
2項は、従前明確でなかったところ。債権者主義が働く時点を「その履行の提供があった時」と定め,明確にしたもの明確にしたもの。なお,「時」とは時点のことである。仮定的条件をいう「とき」ではないことに,注意。