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民法雑学 民事訴訟の上訴審での「取り消す」と「破棄する」の違い

2015年3月1日 公開 / 2015年3月2日更新

テーマ:民法雑学

コラムカテゴリ:法律関連

  民事訴訟は一審,二審,三審の三つの審級があることは,よく知られていることと思いますが,二審と三審に違いを知る人は少ないと思われますので,簡単に説明しておきます。
一審が地方裁判所の場合の二審は高等裁判所です。控訴理由に制限はありません。
一審の裁判所が事実認定を間違えたという理由でも,法律の適用や解釈を間違えたという理由でも,双方を理由としても,控訴が出来ます。
 控訴審で,一審の判決が不当だとされると,取り消され,逆の場合は,請求が棄却されます。
上告審は,上告と上告受理申立ての二種類があります。上告理由は,憲法の解釈の誤りなどの限定され,上告受理申立ての理由は,判例違反及び法令の解釈に関して重要な事項を含む場合に限られます。上告審は,一審が地方裁判所の場合は,最高裁判所になります
上告審で,二審の判決は不当だとされると原判決は破棄され,逆の場合は,上告又は上告受理の申立てが棄却されます。
「破棄」も「取消し」も下級審の判決の効果を消滅させる行為ですが,二審の場合は「取り消す」といい,三審の場合は「破棄する」という言い方になっております。

この記事を書いたプロ

菊池捷男

法律相談で悩み解決に導くプロ

菊池捷男(弁護士法人菊池綜合法律事務所)

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