相続と登記 9 遺留分減殺請求と登記
1,遺産分割の際の付随問題
付随問題とは,遺産分割に付随して生ずる問題の意味です。
例えば,被相続人には,以前にはあった預金が,相続開始時にはなくなっていた,という使途不明金問題や,被相続人の債務を誰が負担するかというような問題です。
付随問題は,多くの場合,遺産分割の対象財産に関するものではないため,遺産分割協議や調停の席で,どうしても解決しなければならないという問題ではありません。また,付随問題は審判で裁判所が判断できる問題ではないため,その付随問題について協議や調停をしても,解決しない場合は,そのための協議や調停にかけた時間は無駄になってしまいます。
そうかといって,付随問題が解決しないと,遺産分割協議や調停にも入れないという場合もあります。
そこで,裁判所は,付随問題が生じた場合,その解決のための調停期日は,例えば,3回までとするなど,回数に制限を設けることが必要だとする意見があります。