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遺産分割⑤ 家庭裁判所の審判に対する不服申立と再度の考案

2015年2月10日 公開 / 2018年8月9日更新

テーマ:相続(遺産分割篇)

コラムカテゴリ:法律関連

1,不服申立制度
(1)二審
遺産分割や寄与分を定める処分である審判に対する不服申立ての方法は,即時抗告です。
家事事件手続法85条1項は,「審判に対しては、特別の定めがある場合に限り、即時抗告をすることができる。」と定め,86条1項は「審判に対する即時抗告は、特別の定めがある場合を除き、二週間の不変期間内にしなければならない。ただし、その期間前に提起した即時抗告の効力を妨げない。」と定めています。
(2)三審
特別抗告・・・憲法違反を理由とする場合(家事事件手続法94条)
許可抗告・・・高等裁判所が許可した場合にできる抗告ですが,高等裁判所は,判例違反などを理由とする抗告は許可しなければならないことになっています(家事事件手続法97条)

2,再度の考案
家事事件手続法90条本文は,「原裁判所は,審判に対する即時抗告を理由があると認めるときは,その審判を更正しなければならない。」と規定しています。
これは,再度の考案についての明文の規定です。
再度の考案とは,審判をした裁判所自らが,自らした審判を是正することをいいます。審判の簡易迅速な処理を可能にする制度です。
そのため,同法87条1項は,「即時抗告は,抗告状を原裁判所に提出してしなければならない。」ことになっています。

この記事を書いたプロ

菊池捷男

法律相談で悩み解決に導くプロ

菊池捷男(弁護士法人菊池綜合法律事務所)

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