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民法と税法 9 和解による債務の一部免除と課税関係

菊池捷男

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テーマ:民法と税法

Q 当社は,A社に対し売掛金請求訴訟を起こしましたが,A社に資力がなかったため,和解によって,債権の一部を放棄(債務の一部免除)をしました。この放棄した金額については,損金処理はできるのですか?

A 法人税法基本通達9-6-1(3)のロに該当すると思われますので,損金処理ができると思いますが,具体的には,顧問の税理士さんとよく御相談ください。
すなわち, 法人税法基本通達(3)のロは,「行政機関又は金融機関その他の第三者のあっせんによる当事者間の協議により締結された契約でその内容がイに準ずるもの」という規定ですが,裁判上の和解によるここに含まれると解されているからです。

参照  法人税法基本通達

第1款 金銭債権の貸倒れ
(金銭債権の全部又は一部の切捨てをした場合の貸倒れ)
9-6-1 法人の有する金銭債権について次に掲げる事実が発生した場合には、その金銭債権の額のうち次に掲げる金額は、その事実の発生した日の属する事業年度において貸倒れとして損金の額に算入する。(昭55年直法2-15「十五」、平10年課法2-7「十三」、平11年課法2-9「十四」、平12年課法2-19 「十四」、平16年課法2-14「十一」、平17年課法2-14「十二」、平19年課法2-3「二十五」、平22年課法2-1「二十一」により改正)

(1) 更生計画認可の決定又は再生計画認可の決定があった場合において、これらの決定により切り捨てられることとなった部分の金額

(2) 特別清算に係る協定の認可の決定があった場合において、この決定により切り捨てられることとなった部分の金額

(3) 法令の規定による整理手続によらない関係者の協議決定で次に掲げるものにより切り捨てられることとなった部分の金額

イ 債権者集会の協議決定で合理的な基準により債務者の負債整理を定めているもの

ロ 行政機関又は金融機関その他の第三者のあっせんによる当事者間の協議により締結された契約でその内容がイに準ずるもの

(4) 債務者の債務超過の状態が相当期間継続し、その金銭債権の弁済を受けることができないと認められる場合において、その債務者に対し書面により明らかにされた債務免除額

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菊池捷男
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菊池捷男(弁護士)

弁護士法人菊池綜合法律事務所

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