クイーン・エリザベス号乗船記① 規模、乗客数
晩夏初秋の南欧の海,地中海は,天気晴朗にして波静かでした。
海上にありながら,陸上にいるのと変わらぬ,動かぬ大地,揺れぬ大地さながら,
動かぬ船床,揺れぬ船床を堪能したのですから,大満足です。
船の最上階に立って,四囲を眺めれば,紺青の海が,渺々と広がっています。
はるかかなたの水平線は,円周を描き,地球が丸いということを教えてくれます。
仰臥して,天空を見上げれば,空はどこまでも青く,どこまでも深く,
その真っ青な空を画布として,刷毛ではいたような白雲が,浮かんでいます。
吸い込まれるような青空を見続けていると,南欧の強い日差しを放つ太陽が,東から西に,移動しているのが分かります。
アランドロン主演の映画「太陽はいっぱい」で,カプリ島の海に,また,人に,照りつけた,あの太陽です。
終日航海の日は,船上から,朝は,東に,暁暗を破って勢いよく昇ってくる,金色に輝く太陽を見,昼は,まぶしく光を放ち,人にその輪廓を見せない,真っ白の太陽を感じ,夕は,残光を引きつつ,燃えるような赤みを水平線のかなたに沈める太陽を見ることができます。
自然の雄大さを感じ,気宇壮大な気分にしてくれます。
遅い夏休みでしたが,満喫できた,7泊8日でした。