公用文用語 「等」と書くか「など」と書くか?
「特に」や「例えば」は,副詞です。
副詞は,原則として漢字で書くことになっています。副詞は,漢字固有の意味が生かされた表現になっているからです。
歌舞伎役者の役どころであるのです。
したがって,「特に」や「例えば」も,漢字で書かれるのは,当然ですが,この言葉が接続詞に見えることがあります。
それは「特に」や「例えば」の後に,読点(,)を付ける場合です。
副詞は(原則)その後に読点を付けませんが,接続詞は(原則)その後に読点を付けることになっているため, 「特に」や「例えば」の後に読点を付けると,一見,接続詞に見えるのす。
しかしながら,副詞の後に読点を付けることは多く,例えば判決書(〔最高裁判所第一小法廷平成26年7月17日判決)で見ますと、読点を付けない書き方として,「例えばDNAによる個人識別能力とは、・・・」という文が見られ, 読点を付けた書き方として,「例えば,夫がDNA検査の結果を前面に押し出して・・・」が見られます。
最高裁判所大法廷平成25年11月20日判決でも,「特に本件のように」という読点を付けない使い方と,「特に、子が成長した後、自らの判断で、・・・」と読点を付けて書いた文が見られます。
「特に,」や「例えば,」など読点を付けた副詞は,一見,接続詞のように見られますが,副詞です。
読点を付けない副詞は,直接次に続く言葉を修飾し,読点を付けた副詞は,次の文全体を修飾しているのです。