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公用文の書き方 4 漢字の役割

菊池捷男

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テーマ:公用文用語

  白と黒を「混ぜる」のか、「交ぜる」のか?
  店を「開ける」のか、「空ける」のか?
  「とんぼ返り」をするのか、「とんぼ帰り」をするのか?

 
   漢字は、同音異義語が無数にあるところからも明らかなように、それぞれ固有の意味を持っています。
  したがって、漢字で書かなければ意味が通じない、という場合が多々あります。
  例えば、「白と黒をまぜる」と書いた場合、その「まぜる」が「混ぜる」であれば、灰色になりますが、「交ぜる」であれば、縞模様になります。
  また、例えば、店を「あける」と書いた場合、その「あける」が「開ける」であれば、営業を始めることになり、「空ける」であれば、店を留守にすることになります。
  さらには、「とんぼがえり」が、「とんぼ返り」なら、宙返りのことになり、「とんぼ帰り」なら、目的地へ行き,わずかの時間を経過して後,引き返すことになります。
  ことほどさように、漢字で書くべき言葉を,平仮名で書いてしまうと、意味が通じないことになる場合が生じてしまうのです。

   しかし,だからといって,一文の中にやたらに漢字を用いるのも問題です。
  漢字本来の意味をなくした言葉を,漢字で書くことは感心できません。公用語では,許されません。

  ここで,皆様に,「頂く」と書くか「いただく」と書くか,という問題を出してみましょう。

 「お土産を頂く」か,「お土産をいただく」か?
 「参考にして頂く」か,「参考にしていただく」か?

  どちらが正解で,どちらが間違っているでしょうか?
  正解は,明日のコラムに書きます。

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菊池捷男
専門家

菊池捷男(弁護士)

弁護士法人菊池綜合法律事務所

迅速(相談要請があれば原則その日の内に相談可能)、的確、丁寧(法律相談の回答は、文献や裁判例の裏付けを添付)に、相談者の立場でアドバイス

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