契約書　契約書・合意書・覚書・示談書・和解書の違い

Ｑ　契約書・合意書・覚書・示談書・和解書の違いは，どこにあるのですか？
Ａ　法律上の決まりはありません。
これらの書面は，いずれも，何らかの法律上の効果（権利義務の発生・変更）を生じさせる約束をする書面ですが，この中には，①これから取引をするという場合に取り交わす書面（契約書）と，➁過去に生じた紛争の解決方法を定めた書面（示談書・和解書），③そのいずれの場合にも使われる書面（合意書，念書）があります。

１，これから取引をする場合に取り交わす書面
　一般に，その約束の内容が詳細で，網羅的にまとめたものが「契約書」とされ，契約書ほど網羅的ではないが，重要な約束事をまとめたものが「合意書」とされ，契約書の一部で，疑義の生じやすそうなものの意味を確認する書面又は限定された範囲内で権利義務に関する確認若しくは約束事を定めた書面が「覚書」とされている感じがします。

２，過去に生じた紛争の解決方法を定めた書面
　過去に生じた紛争の解決方法を定めた書面には，「示談書」と「和解書」がありますが，一般には，「示談書」が多く，「和解書」は少ない感じがします。ただ，紛争が，訴訟になり，裁判所で話し合いによる解決ができたときは「和解調書」が作られますので，その場合は「和解」という言葉が使われます。