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遺言書を書かない場合の遺言書の書き方③  財産管理の清算義務の免除

2014年8月4日

テーマ:相続相談

コラムカテゴリ:法律関連

コラムキーワード: 遺言書 作成遺言書 書き方

Q 
 私も,相続人に不公平感を持たせたくないので,遺言書は書かないことにしていますが,将来,私が老齢となり,子のうちの誰かの世話になり,その子に財産の管理をしてもらうことになった場合,私の死後のトラブルを生じさせない遺言書の書き方はありますか?

A あります。
1,遺言文言例第一案
「一 私が,将来,子のうちの誰かの世話になり,その子に私の預貯金の管理をさせる場合は,その子が私の預貯金の中から支出した金銭については,使途を問わず,私の意思によるものと考えること。
 二 その使途がその子のためのものであった場合,その金銭は私からその子に贈与したものと考えること。
 三 私はその金額の贈与につき,持戻しを免除する。

2,遺言文言例第二案
「一 私が,将来,子のうちの誰かの世話になり,その子に私の預貯金の管理をさせた場合で,その子が私の預貯金の全部又は一部を,私の世話に要する金額を超えて支出したときといえども,その子の置かれた環境その他諸般の事情を考慮して,常識的に許容できる範囲内の金額については,私の意思によるものと考えること。
 二 もし,前項でいう,許容できる常識の範囲につき争いが生ずるときは,私の友人凸山太郎の判断に任すことにする。
 三 一項によりその子が得た金銭は私からその子に贈与したもの又は私の世話をしてくれた代償と考えること。
 四 私はその金額の贈与につき,持戻しを免除する。

3,遺言の効果
 上記遺言書第一案だと,①親から預かり管理していたお金の使途明細を教えろ。➁その中の相続人の個人用の支出分は相続財産の中に戻せ。という他の相続人からの請求はできなくなります。
 しかし,第一案の場合は,親の財産を管理することになる相続人が,親の生前においては,自由に親の財産を我が物にできるという,リスクがあります。
第二案は,そのリスクをなくした遺言書です。

この記事を書いたプロ

菊池捷男

法律相談で悩み解決に導くプロ

菊池捷男(弁護士法人菊池綜合法律事務所)

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