公用文用語 「等」と書くか「など」と書くか?
1,かたよる(片寄る・偏る)
① 片寄る
意味:(物理的に)中心から離れて片方に寄ること。
例 :隅に片寄る。1か所に片寄る。
②偏る
意味:(精神的、思想的に)片寄っていること
例 :考えが偏る。思想が偏る。
参照:偏狭・偏見・偏屈・偏頗などの意味
2,かつ(且つ・且つ、・かつ・かつ、))
これは法令用語でもあります。
「かつ」や「且つ」は,言葉と言葉、句と句を結ぶ接続詞ですが、漢字で「且つ」と書くか平仮名で書くか?読点を入れるか入れないか?が問題になりますが、公用文としての原則は、①接続詞は,平仮名で書くこと、②「語と語をつなぐ場合は読点は要らないが、句と句をつなぐ場合は読点が必要」になります。
例(語と語をつなぐ場合)
交通安全対策の総合的かつ計画的な推進(交通安全対策基本法1条)
例(句と句をつなぐ場合)
もって公共の安全を確保し、かつ、公共の福祉を増進する(河川法1条))
常用漢字表には「且つ」はありますが、「法令における漢字使用について」では,「常用漢字表にあるものであっても、仮名で表記されるもの」の1つとして、「且つ → かつ」が掲げられていますので,「かつ」は平仮名書きになるのです。
3,かもしれない(かも知れない・かもしれない)
①「かもしれない」は、漢字で書くか平仮名で書くか?は、動詞ならば漢字で書き、動詞の機能を失っておれば平仮名で書く、という原則に従えばよいのです。
「かもしれない」は、不確かな事柄に断を下す言葉ですが、ここでは「知る」という動詞の意味はありません。
同じ「知れない」という言葉でも、「彼の消息はまだ知れない」「犯人の行方は知れない」という場合は、「知る」という動詞が働いていますが、「かも知れない」という場合の「知れない」という言葉には、動詞の「知る」という意味を失っています。
したがって、「かもしれない」は平仮名で書くことになります。
「公用文における漢字使用等について」1(2)キ にも、「かもしれない」については「間違いかもしれない。」を例にあげて、平仮名で書くようにと示されています。
例:本当かもしれない。嘘かもしれない。明日は晴れるかもしれないが、雨かもしれない。