公用文用語 「等」と書くか「など」と書くか?
1,おさまる(収まる・納まる)
① 収まるは、一応、「我が方に入り」ておさまる意味とされ、納まるは、「受取手の中に入り」ておさまる意味とされています。
例 : 騒ぎが収まる。予算内に収まる。痛みが収まる。
例 : 社長に納まる。椅子に納まる。
② 両方の使い方も多い。
しかし、「収まる」と「納まる」を区別する基準も明確ではなく,次の言い方は,「収まる」も使われ,「納まる」も使われています。
例 :元のさやに収まる。腹の虫が収まる。
例 :元のさやに納まる。腹の虫が納まる。
2,おって(おって・追って)
副詞は漢字、接続詞はひらがなが原則ですので、「おって」も、副詞として使う場合は「追って」になり、接続詞として使う場合は「おって」になります。
① 追って(副詞)
意味:「後で」という意味です。
例 :
本日緊急会議が招集されました。詳細は追って書面でご報告いたします。
② おって(接続詞)
意味:「後で」という意味です。
使い方:
前の文章を受け、後の文章につなぐ接続詞ですから、段落を変えて、その後に読点を付して用いられるのが一般です。
例 :
本日緊急会議が招集されました。
おって、詳細は書面でご報告いたします。
なお、接続詞の「おって」は、前の文を受け、後の文を付け加える働きをすることから、文法上「添加の接続詞」といわれます。
3,及び
この言葉は法令用語でもあります。法令で,これがどう用いられているかについての詳細は,拙著「知って得する法令用語」(山陽新聞社発行)をご覧下さい。
接続詞でも,「及び」「並びに」と「又は」「若しくは」は,漢字で書かれることになっています。
また,「及び」のないところには「並びに」は使われず,「又は」のないところには「若しくは」は使われないことになっています。
参照:
「公用文における漢字使用等について」(平成22年11月30日内閣訓令第1号)1(2)オ「ただし,次の4語は,原則として,漢字で書く。及び 並びに 又は 若しくは 」