「宜しくお願い致します」という書き方は間違い
1,おく(置く・おく)
①「置く」は,動詞として使うときに,漢字で書きます。
例 :机の上に花瓶を置く。役員を置く。相談所を置く。
➁「おく」は,補助動詞として使う場合に,平仮名で書きます。
例 :通知しておく。そのままにしておく。明確にしておく。重きをおく。
③ 時間や空間を置いている場合の補助動詞である「おく」は,「おく」「置く」の両方が使われていますが,「おく」が多いとされています。
例
1か月置きに来る。1か月おきに来る。
2,おくれる(後れる・遅れる)
① 後れる
意味:他より後になること(相対基準)
例 :時代に後れる。流行に後れる。後ればせながら。
➁ 遅れる
意味:時期や時間に間に合わないこと(絶対基準)
例 :集会に遅れる。開発が遅れる。完成が遅れる。
③ 漢字が違えば意味が違う
例1:成績が後れる・・・他の特定の者と比べて「おくれている」こと
「成績は兄に後れる」
例2:成績が遅れる・・・他の同年齢者一般と比べて「おくれている」こと。
ただし,知恵が「おくれる」という場合,語感から,「知恵が遅れる」よりも「知恵が後れる」と書かれる方が望まれるようです。
もっとも,公用文では,「知恵遅れ」も「知恵後れ」も書かれることはありません。これらは,いわゆる差別語として使用できないことになっているからです。
ここでいう「知恵遅れ」と書きたいときは「知的障害」という用語が使われます。
例3:後ればせながら・・人より後からかけつけること
「後ればせながら,やっと卒業できた」
例4:遅ればせながら・・時刻に後れたがかけつけてきたこと
3,おこす(起こす・興す)
① 起こす
意味: 生じさせること,立たせること
例 :倒れたイスを起こす。寝た子を起こす。地面を掘り起こす。トラブルを起こす。
➁ 興す
意味:新たに始めること。勢いを盛んにすること
例 :会社を興す。産業を興す。