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菊池捷男

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菊池捷男(きくちとしお)

弁護士法人菊池綜合法律事務所

コラム

地方行政 2 税務職員の調査結果を、納税者(住民)への住宅資金回収に役立てることの可否

地方行政

2013年3月7日 / 2013年5月10日更新

1 調査権限と住民の協力義務
地方税法第298条は「市町村の徴税吏員は、市町村民税の賦課徴収に関する調査のために必要がある場合においては、・・・物件を検査し、若しくは・・提示若しくは提出を求めることができる。」と定め、同法第299条は、前条の規定による帳簿書類その他の物件の検査を拒み、妨げ、又は忌避した者には、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」と定めています。
つまり、税務職員は、税務に関する調査権限があり、住民にはそれに従う義務があるのです。

2 秘密漏洩に対する罰則
 一般に、地方公務員は、地方公務員法第34条で「職員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、また、同様とする。」と守秘義務が課されていますが、これに違反すると同法第60条により1年以下の懲役又は3万円以下の罰金に処せられます。しかし、地方税に関する調査などに従事する地方公務員は、地方税法第22条により「地方税に関する調査・・・に従事している者又は従事していた者は、これらの事務に関して知り得た秘密を漏らし・・・た場合においては、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。」とされ、一段と厳しい制裁を受けることになります。

3 秘密の内容
 地方公務員法34条1項の「秘密」とは,一般に知られておらず,他人に知られないことについて客観的に相当の利益を有する事実で職務上知り得たものをいい,地方税法22条の「秘密」とは,これらのもののうち,地方税に関する調査に関する事務に関して知り得たものをいうとされています(昭和49年11月19日付自治省税務局長通知)ので、税務調査結果の納税者の資産内容は、秘密に属すると考えられます。。

4 納税者の資産内容を利用できる場合
 平成19年3月27日付総務書自治税務局企画課長通知によれば、国民健康保険料のように,地方税の滞納処分の例により処分することができる場合(国民健康保険法79条の2,地方自治法231条の3第3項),相互に情報共有が認められるとされていますので、この場合には,税務職員の守秘義務は解除されているということができます。しかし、住宅資金の貸付金は、地方税の滞納処分の例により処分することができる場合には該当しないので、この私債権の回収のために、税務調査結果を利用することは許されないことになります。理由としては、個人情報の目的外使用、ということになります。

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