クイーン・エリザベス号乗船記① 規模、乗客数
A子さんのインハウスローヤー生活が3年目に入った今年、B弁護士は、一度じっくりA子さんと話し合ってみたいと考え、夕食を共にすることにしました。むろん、会社の顧問弁護士と会社のインハウスローヤーとの懇談が目的です。会社側からは総務部長Cが、B弁護士の方は弁護士になったばかりの女性のイソ弁Dが同席し、一夕、懇談の時間をともにしたのです。
この懇談の席で、B弁護士と甲社の総務部長Cの間で、A子さんがインハウスローヤーになる前に和解で解決した労働事件のことが話題になりました。
その労働事件というのは、甲社に中途採用した従業員Eを、社長が解雇したことから起こった訴訟事件だったのですが、会社経営者にとって、労働法は理解しにくい法律であったらしく、甲社の社長は、和解の席で裁判官に向い、労働法がいかに悪法であるかを、口角沫を飛ばして、非難したものでした。結局この件は、裁判所の強引とも言えるが、B弁護士には有り難い説得が、労使双方に勧告され、甲社から元従業員に約1000万円の和解金を支払って解決しました。
総務部長Cは、この時の思い出話をしたのですが、同時に、あの時点では、社長は裁判所の和解案に怒ったが、その後インハウスローヤーになったA子さんから労働法の解説を受けて納得するに至ったという話をし、インハウスローヤーの存在が、会社社長に、法令遵守の重要性を教えることになったと語ったものでした。