大切にしたいもの いたわり
1 貞潔の意味
貞潔とは不倫をしないことです。
2 不倫の結果(家庭への影響)
不倫をすると、まず夫婦関係を壊します。
ここに、夫の不倫を知った妻がいます。長年、信頼し、愛情を注いできた夫です。その夫に裏切られたのです。妻は、離婚よりも、自殺を考えました。一切が空しく、悲しく、生きる張りも、希望もなにもかも失ったのです。現実を考えることから逃げようとし、自殺の2文字が頭をかすめます。しかし、不安そうな子供の顔をみて、はっと現実に戻り、妻は生きる道を選びました。しかし、妻の顔から生気はなくなりました。夫婦間の対話のない生活が、しばらく続きます。その間、妻の夫を見る目に疑心が宿ります。やがて疑心は、暗鬼を呼び起こします。勤めを終えて帰宅した夫の後ろに、女がついてきた姿を見たのです。玄関を入った夫を押しのけて、妻は、外へ飛び出し女の姿を探します。女はいません。しかし、妻は女が隣家に入る瞬間を見ました。そこで、隣家に入っていき、女が入ったと隣家の人に告げました。隣家の人は、幽鬼の顔になった妻の姿に驚き、そんな女は来ていないと言います。しかし、妻は、隣人に、いや、女がこの家に入ったので、出してくれと訴えます。
暗鬼が妻の精神を侵し始めたのです。同時に暗鬼は、妻の言動を通して、夫を責めます。責め苛むのです。
愛情深く、善良な妻であればあるほど、暗鬼が、妻自身を、夫を、そして無邪気だった子までも、蝕んでいくのです。
3 不道徳税
不倫は、社会に大きな負担を負わせます。
アメリカの経済学者で、これは国民全体が支払わなければならない不道徳税だと言った人がいます。不倫の多発が道徳の退廃を生み、それが婚外子の大量発生を招いて、その扶育のため、社会保障費の増大を招き、婚外子の多量発生はまた犯罪の増加を呼び、治安の費用の増大を招く、それらはすべて国民の負担になって現れる、というものです。
4 国家の滅亡を招く
ローマ帝国、古代ギリシャ、ペルシャ、バビロニアは、国家滅亡に至ったが、その最大の原因は、ソドムとゴモラ同様、不倫の蔓延だ、と説く学者もいます。
5 不倫は人類最大の罪なのかもしれません。