大切にしたいもの 5 責めない心
1 事実の意味
ここで事実とは、客観的な事実を意味します。
主観を入れない、客観的事実です。
2 裁判とは、事実に対する法的評価のこと
裁判は、扱う事件が、民事事件であれ、刑事事件であれ、あるいは離婚などの家事事件であれ、事実に法律を適用して、犯罪の成否、権利の有無を判断・評価することです。
3 事実が変わると、結論が変わる。
ですから、事実が変わると、結論は変わります。
甲のした行動がAであったとした場合は有罪になるが、裁判での審理の結果、甲の行動はAではなくBであったという場合は無罪になる、ということもあるのです。
4 日常生活でも
親が息子を叱ります。息子がCという事実をした、と他人の口から聞いたからです。
しかし、息子に訊くと、息子はCではなくDをしたことが分かり、親は叱ったことを後悔する、ということもあるのです。
5 事実を前提に世の中は動く
裁判も、親の子に対する態度も、いえ、世間の動きのすべてが、事実を前提に動いているのです。
6 事実の重要性
ですから、事実、間違いのない事実、主観の混じっていない事実は重要です。
7 事実を伝えるときの注意
事実を伝えるときは、主観を入れないことです。推測を語る場合は、事実と推測を分けて伝えることが必要です。
見聞きした事実に推測、憶測などを加え、事実を膨らませて語ると、それを聞いた親が子を叱るなどの間違いを起こしますので、そのような場合、事実はEまでで、Fの部分は私の憶測だとして伝えることが必要になるのです。
8 直筆と曲筆
直筆とは、広辞苑によりますと、事柄を隠さずありのまま書くこと。また、その文、とされています。その逆が曲筆です。曲筆とは、事実を曲げて書くこと。また、その文、のことです。舞文(ぶぶん)という言葉も曲筆と同じ意味です。
舞文曲筆を弄する、などは、人の道から外れます。
大切なことは、事実をありのまま書くこと、直筆です。