大切にしたいもの いたわり
1 「責めない」という言葉の意味
ここで「責めない」ということは、目の前で話をしている相手を責めない、ということです。目の前にいる人と話をしていて、その話の中に出てきた知人を責めないということです。その話の中に出てきた見知らぬ人を責めない、ということです。
2 責める効果
責める相手が、目の前の家族であれ、友人であれ、話題の中の知人であれ、見知らぬ人であれ、責める行為は、常に、あなたの心から平常心を失わせ、心を汚すか、低めるかの効果しかありません。
3 責めることの前提を欠いていた場合
責める態度は、あなたの認識している事実、あなたの考え、あなたの感情、つまりはあなたの主観的価値が、正しいのだという前提で、その価値の基準に合致しない人の言動を責めるものですから、責めた後で、あなたの基準(例:認識していた事実)が間違っていたという場合も、当然起こりえます。
その場合は、取り返しのつかない結果になることもあり、家族間に溝を作り、友人を離れさせ、見知らぬ人を責めた場合でも、その責める言葉を聴かされた人の心を失います。
ですから、「責めない」ことは大切です。
4 責める前に
どうしても責めたいという感情を抑えきれないときは、一日黙してみるのです。一晩考えた後に、はたして「責める」という感情がなお残っているかを見るのです。
そうすれば、たいていの責めるという気持ちはなくなっている筈です。
5 責めない努力
「責める」ということは、簡単なことです。智恵も要らなければ、努力も要りません。
反対に、「責めない」ということは、簡単なことではありません。努力が要ります。智恵も必要とします。
6 結論
要は、簡単に人を責める人は、単純で、智恵なく、努力のない人と言えましょう。
容易に人を責めない人は、知恵ある人、忍耐心のある人、賢い人と言えるでしょう。
あなたが、責める人か、責めない人かは、あなたの言葉を聴く人は、見ています。
あなたが、得意になって人を責めているとき、あるいは、非を鳴らしているとき、あなたの得意顔の中の、単純さ、智恵の浅さ、賢くない様が、多くの人の目に、耳に、晒されているのです。