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間違えやすい法令用語14 改正・修正

2011年6月14日 公開 / 2019年2月28日更新

テーマ:法令用語

コラムカテゴリ:法律関連

1 改正
「改正」とは、改めることですが、「法令の改正」あるいは「法令の改正案」というように、改正の対象になるのは、制定された「法令」や「条例」等です。

なお、改正の対象となる法令等を全体としてとらえていう場合には「改正する」と表現します。
この言葉は、一部改正法の題名の中や一部改正法の本則の冒頭に置かれる柱書の中で、使われます。
例えば、題名としては「〇〇法の一部を改正する法律」と使われ、改正法の本則の冒頭に置かれる柱書の中では「〇〇法の一部を次のように改正する。」と使われます。



なお、「改める」という用語もあります。
これは、個々の改正規定の中で具体的に既存の法令の規定(又はその一部)を入れ替えるときに使われます。
例としては、「第〇条第〇項中『A』を『B』に改める」
というようにです。

2 修正
「修正」は、直して正しくすることですが、「改正案の修正案」というように、法令上は、国会における法律案、予算などの議案の修正(国会法57条や83条等)のように案の段階で直すことを言います。

無論、地方公共団体の議会で、条例案やその改正案の修正案を審議するような場合もあります。
要は、制定される前の「案」の直しが、修正です。

ですから、「改正案の修正案」という言い方はありますが、「修正案の改正案」という言い方はありません。

なお「法律」は、案の段階では「法律案」とされていますが、「予算」と「条約」は「案」の段階でも「予算」「条約」とされ、「予算案」「条約案」とはされていません。

参照:
国会法87条
「法律案、予算、条約及び憲法改正原案を除いて、国会の議決を要する案件について、・・・」

この記事を書いたプロ

菊池捷男

法律相談で悩み解決に導くプロ

菊池捷男(弁護士法人菊池綜合法律事務所)

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