コラム
行政 23 法律と条令の関係① 条例が有効になった事例
2011年3月3日 公開 / 2016年3月15日更新
1 地方自治法14条1項
地方自治法14条1項は「普通地方公共団体は、法令に違反しない限りにおいて・・・条例を制定することができる。」と規定しています。
2 最高裁昭和50.9.10大法廷判決は、
地方自治法14条1項は、
① 条例が、国の法令に違反する場合には、無効である。
② しかしながら、条例が法令に違反するかどうかは、それぞれの趣旨、目的、内容及び効果を比較し、両者の間に矛盾牴触があるかどうかによつてこれを決しなければならない。
③ 国の法令中に、一定事項について、規律する明文の規定がない場合
ア それが規制をすべきでないという趣旨で規定を置かなかったとすれば、条例でそれを規制することは許されない。
イ しかし、法令と条例とが併存する場合でも、条例の目的が法令の目的や意図や効果を阻害することがないとき、あるいは、法令と条例が同一の目的に出たものであつても、国の法令が全国一律に同一内容の規制を施す趣旨ではなく、それぞれの普通地方公共団体においてその地方の実情に応じて別段の規制を施すことを容認する趣旨であると解されるときは、法令と条例との間にはなんらの矛盾牴触はなく、条例が国の法令に違反する問題は生じえない。
④ 条例では、一定の行為をしたものを1年以下の懲役若しくは禁錮又は5万円以下の罰金を科するものとしていたが、これは道路交通法の規定による警察署長が付した許可条件に違反した者に対して3月以下の懲役又は3万円以下の罰金を科するものとしているのと対比するときは、重いものであっても、無効ではない、と判示しました。
関連するコラム
- 地方自治 概算払と前金払の違い 2015-03-13
- 自治体のする契約 2 私法上の契約と公法上の契約 2013-09-11
- 地方行政 臨時職員と労働契約法18条による無期転換請求権 2015-05-28
- 地方行政 4 行政財産の目的外使用許可から賃貸借契約締結へ 2013-03-09
- 自治体がする契約 14 単年度主義と長期継続契約 2013-09-27
コラムのテーマ一覧
- 時々のメモ
- コーポレートガバナンス改革
- 企業法務の勘所
- 宅建業法
- 法令満作
- コラム50選
- コロナ禍と企業法務
- 菊池捷男のガバナー日記
- 令和時代の相続法
- 改正相続法の解説
- 相続(その他篇)
- 相続(遺言篇)
- 相続(相続税篇)
- 相続(相続放棄篇)
- 相続(遺産分割篇)
- 相続(遺留分篇)
- 会社法講義
- イラストによる相続法
- 菊池と後藤の会社法
- 会社関係法
- 相続判例法理
- 事業の承継
- 不動産法(売買編まとめ)
- 不動産法(賃貸借編)
- マンション
- 債権法改正と契約実務
- 諺にして学ぶ法
- その他
- 遺言執行者の権限の明確化
- 公用文用語
- 法令用語
- 危機管理
- 大切にしたいもの
- 歴史と偉人と言葉
- 契約書
- 民法雑学
- 民法と税法
- 商取引
- 地方行政
- 建築
- 労働
- 離婚
- 著作権
- 不動産
- 交通事故
- 相続相談
カテゴリから記事を探す
菊池捷男プロへの
お問い合わせ
マイベストプロを見た
と言うとスムーズです
勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。