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菊池捷男

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菊池捷男(きくちとしお)

弁護士法人菊池綜合法律事務所

コラム

相続 29 遺贈を受けても、登記をしておかないと、権利を失う

2010年10月25日


1 第三者が知る機会の相違
第三者の立場から、相続と遺贈を見た場合、相続よりは遺贈の方が、その有無や内容を知ることの困難性は大きいものがあります。
相続については、第三者でも、被相続人の死亡、相続人の範囲、遺産の範囲を、ある程度知ること、調べることは可能ですが、遺贈については、第三者が遺言書の存在と内容を調べる方法はありませんので、第三者が知ることを期待することはできません。

2 法の扱いの違い
 相続と遺贈との1の違いを反映させて、判例は、遺贈の場合の第三者保護を厚くしております。
具体的には、受遺者が、遺贈によって取得した不動産の名義を変えなかったため、その後、第三者が、その財産について、利害関係を有するに至ったときは、第三者の権利が認められるのです。
① 相続人の処分行為が結果的に有効になったケース
東京高等裁判所昭和34.10.27判決は、不動産の遺贈を受けた者が、その不動産の名義を変えないでいたために、相続人が、その不動産について、相続登記をし、続いて抵当権設定登記をしたケースで、遺贈を受けた受遺者の所有権は、この抵当権に対抗できない、と判示しております。
② 相続人の債権者がした強制競売が有効になったケース
最高裁判所昭和39.3.6判決も、不動産の遺贈を受けた者が、その不動産の名義を変えないでいたために、相続人の債権者が、債権者代位の方法(民法423条)で、その不動産について相続登記をして強制競売の申立をし、その旨の登記がなされたときは、受遺者は、所有権の取得を競売申立人に対抗できない、と判示しております。

3 例外 遺言執行者がいる場合の、相続人の処分行為
民法1013条は「遺言執行者がある場合には、相続人は、相続財産の処分その他遺言の執行を妨げるべき行為をすることができない。」と規定しています。、最高裁判所昭和62.4.23判決は、相続人が、遺言執行者が選任されているのに、遺贈の目的物を第三者に譲渡したり抵当権を設定し登記をしたとしても、それらの行為は無効であるから、受遺者に対抗できない、と判示しています。
ですから、2①のようなケースでは、受遺者は、抵当権者に対し、遺贈された不動産の所有権を対抗できることになります。

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