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「一人で抱え込まない」ために。安心して相談するときの最初の一言

2020年10月6日 公開 / 2021年2月24日更新

テーマ:こころの悩み

コラムカテゴリ:メンタル・カウンセリング

コラムキーワード: うつ病 対策メンタルヘルス 対策

●悲しいニュースが続いています


最近、芸能人の方が、自らの命を絶つニュースが続いています。

いつもテレビやネットで見ている人だったり、

おまけに、いつ結婚したとか子どもが生まれたとか
プライベートな情報も知っていたりすると

向こうはこちらを知らないし、会ったことはなくても

なんとなく身近に感じて、
知り合いのような親近感を持つものです。

そんな人が、突然亡くなってしまうのは

知り合いをなくしてしまったような気持ちになるのも、
自然なことかもしれません。

●命を絶つほどの理由は、目に見えない

外見も、おそらく金銭的にも恵まれていて、
人気者で、売れっ子で仕事もあって

なのにどうして?と理由がいろいろと詮索されています。

でも、命を絶つほどの理由って、
実際には世間には出ないんだろうな、とも思います。

私も昔、カウンセラーになる前に、とても悩んでいたときに
「このまま、あのトラックの前に踏み出せばラクになれるのかな」
と、考えたことがありました。

でも、それで私が命を絶ったとしても
それこそ「え?どうして?」と思われただろうなと思います。

解決の糸口が見つからず、八方ふさがりで、どこにも逃げ場がない……
そんな心のうちは、周囲から目に見えないものだからです。


●誰かに話す、ということ

最近は、そういうニュースのあとに

「一人で抱え込まないで」
「誰かに話してください」

と、悩みの相談窓口の電話番号が紹介されるようになりました。

私も、自分がとても悩んでいるときに、カウンセリングに行ったことがあります。
残念ながらその時は、特に解決には至りませんでした。

それでも、話を聞いてもらうだけで少し気持ちがラクになりました。
誰にも話せないことを話す場があるだけで、心の支えになりました。

だから、やっぱり誰かに話すことは大事なんですね。


●話すことのマイナス面

でも、誰かに話すことで、逆に傷つくこともあります。

「そんなことで悩むなんて甘えている」とか
「それはあなたが悪いんじゃない?」とか
「あなたが変わらなきゃダメよ」とか

怒られたり、責められたりすることもあります。
「大したことない」と、軽く扱われることもあります。
あるいは、できそうもないアドバイスをされることもあるでしょう。

だけど、そのどれも、
悩んでいる相手を元気づけよう、励まそう、と
良かれと思ってやっていることです。

だからこそ、さらに追い詰められてしまうんですね。

実際、私のところにいらっしゃるクライアントさまも

今までにカウンセリングや心療内科に行ったり、
お友だちに相談したりして、
逆につらい思いをしたという方も多いです。

●安全に聞いてもらうために、大事な一言

それでも、やっぱり誰かに聞いてもらうだけで
少しでも気持ちがラクになることはあります。

言葉にすることで、状況を客観的に見ることができるようになり
そこで、自然と解決策が出てくることもあります。

そのためにも、安全に話を聞いてもらうときに、大切なことがあります。

それは、話を聞いてもらう前に
「アドバイスはいらないだから、ただ、聞いてくれる?」
と、一言、相手に伝えてから、話を聞いてもらう、ということです。

相手も、相談されると
「何かしらアドバイスをしなくちゃ」とプレッシャーになるものですが
(そうして、逆におかしなことを口走ったりします)

アドバイスはいらない、と最初に言われると、
安心して、ただ聞くことに専念できます。


●解決できない悩みはない

何よりも、今の自分に出てきている悩みは
今の自分が解決できる悩みです。

逆を言うと、解決できない悩みは出てこない、ということです。
だから、解決できる方法は、きっとあります。

この記事を書いたプロ

松尾聡子

夫婦関係のカウンセリングのプロ

松尾聡子(Le Port(ル・ポール))

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