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押入れの中がなぜ濡れてるのか?

2014年2月28日 公開 / 2014年6月19日更新

テーマ:断熱改修・耐震改修の手順

コラムカテゴリ:住宅・建物

この時期困るのはなんといっても結露(けつろ)です。

ガラス結露
アルミサッシの枠、1枚ガラスの表面にはびっしりと・・・泣
拭いても拭いてもいったいこの水はどこから湧き出てくるのか?


除湿機や湿気とり材を近くに置いても一向に結露がやむ気配はありません。
外に排気筒が出ているFF式のファンヒーターなら少しましにはなりますが、そんな面倒なしかも高いものをいちいち準備できません。
サッシや外壁の明かな断熱不足による結露です。ペアガラスの内窓を新設するとか、壁に断熱材を追加するなどしなければ解決には至りません。


クロスの下のカビ

結露は目に見えないところでも起きています。
この写真は室内のビニールクロスを剥いだところ。
下地であるセッコウボードの表面です。
黒く見えるのはすべてカビ。汚れではありません。


ベニア濡れてる

一方こちらは押入れの中。
ベニアが塗れています。築10年程度の比較的最近の建物です。
床下には断熱材(ポリスチレンフォーム1種 t=40㎜)が入っています。壁にも当然断熱材(袋入りグラスウール100mm)が入っています。

押入れには折り戸がついており、この状況を見た住人の方は洋服などを別の場所に避難させ、乾かそうと常時折り戸を開けています。暖房は排気筒のない普通の灯油ファンヒーター。

「ちゃんと断熱してあるはずだけどなんで?」
「どっか水道かなんかが漏れてるんじゃないの?」

早速床下に。


床下の状況

床下の冷たい空気が壁の中をやはり通っているようです。
グラスに冷たいビールを注ぐとすぐに水滴が周りに付くように、冷たい壁に、湿った暖かい空気が触れると結露します。

推定ですが床付近の室内空気温度=22℃ 相対湿度40%
この空気の露点温度は約8℃です。つまり8℃のものに触れると気体から液体に変わります。


気流止め

たまたま持っていたグラスウール断熱材の端材(ゴミ)で気流止めを実施。
おそらくはこれで問題解消、あるいはだいぶ緩和するでしょう。

床下から壁の中に空気が入らないようにする「気流止め」をせずに、
この濡れた場所をなんとか乾かそうと思って、折り戸や襖を開けて、暖房すればするほど結露はひどくなりますのでご注意を!

この記事を書いたプロ

塩原真貴

木造住宅を耐震・断熱構造に生まれ変わらせるプロ

塩原真貴(株式会社Reborn)

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