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塩原真貴

木造住宅を耐震・断熱構造に生まれ変わらせるプロ

塩原真貴(しおはらまさき)

株式会社Reborn

コラム

床はなぜあんなに冷たいのか?

断熱改修・耐震改修の手順

2013年10月11日 / 2014年6月19日更新

[[床の断熱についてまず知ってほしいこと]]
やがて来る冬。毎年欠かさずやってくる寒い冬(笑)
多くの人が感じるであろう身に沁みるあの床の冷たさ。
本当に嫌になりますよね。

床は唯一人体が直接かつ継続的に接する部位です。壁や天井を一日中ずっと触っている人はまずいないとは思いますが、床には必ず足の裏またはお尻で触れていますよね。

人体の体温は通常35~37℃の範囲です。当然のことながらこの温度以下のものに触れると人は冷たく感じ、逆にこの温度以上のものに触れると暖かく感じるわけです。

当たり前と言えば当たり前ですが、では床を35~37℃にあたためれば人は快適と感じるのでしょうか?

ここで「やっぱりユカダンだろ?」って思ってしまった人は要注意です。
最近でこそ主暖房としての採用率はグッと減りましたが10~15年ほど前は床暖が最高の暖房だとされ、多くの家で電気シート式や温水パイプが埋め込まれた床暖パネルがリビングや洋間のフローリングの下に仕込まれました。

私が最近よく断熱改修工事をする築後10~20年のお宅では、やっぱり床暖がしばしば採用されています。しかしそのほとんどがもはや使われていない。お客さんにその理由を尋ねると、

①ランニングコストがあまりにも高い 

②部屋が暖かいと感じる温度まで上げようとすると床表面を40℃近くまで上げなければならず、長時間立っていると足の裏が熱くなり不快

③ちっとも暖かくない


玄関で土足を脱ぎ、裸足や靴下で生活したい日本人にとって、床暖房という暖房方式は果たしていいのか悪いのかの是非をここで問うつもりはありませんが、総じて入居してしばらくは「具合がいい」と喜んでいる人も、時間が経つにつれ稼働率が減っていく傾向は否めません。


ここで少し床下の様子を観ていきます。

床には一般的な袋入りのグラスウール10cm厚のものが床組の木と木の間にはまっています。






しかしいたるところで断熱材が垂れ下がっていたり、排水の配管周りなどは入っていないところも散見されます。床下は狭くて暗く、ほとんどの人は自分の家の床下がどうなっているか知らずにいます。「ちゃんと入っているって大工さん言ってたよ」とか「図面には記載がある」というだけで信用しきっています。

しかしわたしの知る限り、本当に多くのの家がきちんとした床の断熱工事がなされていません。残念なことです。

これではいくら床暖房をしても、床下空間つまり冷たい地面の方に逃げていく熱が圧倒的に多く、室内がなかなか暖まらない、灯油をものすごく食う、ということになるのは当然です。




このお宅のように地下室のような形でガレージを構え、その真上に部屋を造る時などは要注意です。コンクリートの天井は真冬、氷のように冷えており、2階の部屋の床に直接影響します。20cm程の厚い断熱材でその冷えを絶たなければ氷のリンクの上にテントを張って生活するようなものです。

また、床と壁の接点も大変重要なポイントであるということが分っています。



このお宅のように、床下の空気と壁の中がつながっていると、床下からの冷たい空気が壁の中を駆けあがっていくことが実証されています。暖房している部屋は当然ながら壁自体も温まっていきます。次第に壁の中の空気も当然温まります。温まった空気は比重が軽くなり上昇してゆきます。そしてその上昇気流に従って、床下の冷たい空気を壁の中に呼び込むのです。
部屋を暖めれば温めるほど、上昇気流は活発になり、いつまでたっても部屋の温度が上がりません。温まった空気は最終的に小屋裏とか屋根裏と呼ばれる最上階まで逃げてゆきます。

この壁の中に床下の冷気が入らないよう対策することを「気流止め」と呼んで、グラスウールをここに隙間なく押し詰めたり、スプレー状の発泡ウレタンと呼ばれる膨らむ断熱材を吹き込みます。

こうした気流止めを行ったうえで、床の断熱材は隙間なく床一面を覆い、落下や垂れ下ががらない対策を施す必要があります。

まず自分の家の床下がどうなっているかを観てみることをお勧めします。洗面脱衣室やキッチンなどに床下に入る点検口があるはずです。まれに畳の下にある場合もありますが・・・。
カッパ&マスク&ひざ当てパッド着用の上、カメラと懐中電灯をもってレッツゴ~♪
ってわけになかなかいきませんよね・・・。

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塩原真貴

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