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下田茂

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下田茂(しもだしげる) / 弁理士

みらい国際特許事務所 長野オフィス

コラム

ベンチャービジネスと知的財産…Ⅱ

2014年6月14日 公開 / 2021年1月22日更新

テーマ:知的財産と経営

コラムカテゴリ:法律関連


知的資産経営の重要性

 現在「知的資産経営」が企業経営のキーワードになっています。したがって、タイトルは、「ベンチャービジネスと知的財産」としましたが、「ベンチャービジネスと知的資産」とした方がピッタリくるかも知れません。
 ところで、「知的財産」と「知的資産」の関係ですが、「知的財産」は、特許やノウハウ等のいわば創作的なものを指しますが、「知的資産」は、このような知的財産に加え、更に目に見えない様々な資源を含みます。経済産業省の定義によれば、「知的資産」は、組織力,人材,技術,経営理念,顧客等とのネットワークなど、財務諸表には表れてこない目に見えにくい経営資源の総称としています。
 したがって、今、ベンチャービジネスを立ち上げようとすれば、時代のキーワードでもある、「知的資産」や「知的資産経営」について、シッカリと把握しておいて損はないと思います。
 上に挙げた定義に従うと少々分かりにくくなるとは思いますが、分かりやすい例でいえば、私は次のように解釈しています。
 今、新規にお店を開く場合を想定してみます。この際、通常は、お店の名前を考え、また、お店の看板のデザインを考えます。ここまでは「知的財産」の範疇として考えられます。したがって、優秀なコピーライターやデザイナーが居れば事足りるでしょう。
 しかし、「知的資産」の考え方では不十分です。つまり、これらの知的財産を核とし、看板の大きさをどの程度にし、看板をどの位置につけるのが最もお客心理から見て効果的であるか、というようないわば人の心理(行動心理)がわかる人材が存在すれば、その人は優秀で重要な「知的資産」として位置付けることができます。
 もし、ベンチャービジネスを始めるときに、「知的財産」や「知的資産」をおろそかにすれば、有利になる点は、単にビジネスを先に始めたこと程度となり、それを真似た後発の企業の方が却って有利になってしまうことも世の常です。
 したがって、「知的財産」を核にした「知的資産」の総体を、企業自身の財産(資産)として、如何に守り活用していくかも、ベンチャービジネスにとって重要な事項になると感じています。

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