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下田茂

アイデア等を特許・商標等の権利にするプロ

下田茂(しもだしげる) / 弁理士

みらい国際特許事務所 長野オフィス

コラム

ベンチャービジネスと知的財産…Ⅰ

2014年5月17日 公開 / 2021年1月24日更新

テーマ:知的財産と経営

コラムカテゴリ:法律関連

知的財産に対するリスク管理

 少し前に、中小企業にとっての知的財産権というテーマについて書きましたが、今回は、ベンチャービジネス(新規創業,起業)と知的財産の関係にも触れたいと思います。
 ある意味、ベンチャー企業も中小企業の中に含まれますが、新規に事業を始める点、事業内容に新しいビジネスモデルを含むことも多い点など、異なる点も多いため、むしろ知的財産の重要性や必要性、更に注意点については、一般の中小企業よりも大きいかもしれません。
 新たに事業を始めるため、事業計画から始まり、資金調達や人材確保等、やることは山ほどあります。確かに、これらは事業を始める上で必要な基本項目であり、知的財産については横に追いやられても仕方ありません。
 しかし、リスクを回避する観点からは、知的財産(知的財産権)の重要性を認識することも必要です。
 今、ある人が、スマートホンを利用したユニークなサービスに関するアイデアを思いつき、これをベースにビジネス展開するケースを考えてみます。
 まず、重要なことは、このサービス内容が他人の知的財産権をクリアできるかどうかの問題です。もし、クリアできない場合、権利侵害のリスクを背負いながら展開することになります。したがって、
  (a) サービス名称(ネーミング,キャラクタ等)が他人の商標権を侵害しないかどうか。
  (b) サービスに付随する機器や道具を使用する場合、その外観(デザイン等)が他人の意匠権や著作権を侵害しないかどうか。
  (c) サービスに係わる内容(ビジネスモデル)がユニークな内容を含む場合、他人の特許権を侵害しないかどうか。
 など、保険をかけると同様の考え方で知的財産権の先行調査を行う必要があります。この結果、問題なくクリアできればよいですが、クリアできないことも考えられます。この場合、「ビジネスは断念せざるを得ないのか?」と心配になるかもしれません。
 しかし、早計な心配はいりません。そのときが我々の出番です。つまり、部分的な修正を加えるなどにより十分にクリアできる可能性があり、どこをどうするかがポイントとなります。
 このように、知的財産(知的財産権)は、ベンチャービジネスを始める上で、進めるか、断念するか、のキャスティングボートを握るぐらいの重要性を秘めています。

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