慣れ親しんだ感覚がトラブルの原因・・・？

2016年7月7日

テーマ：足と靴

コラムカテゴリ：くらし

巻き爪と陥入爪と外反母趾で悩んでいらっしゃるご婦人。
足長を計測すると右２４，５ｃｍ、左２４，７ｃｍでした。
ところが、履いている靴のサイズは２４，０ｃｍの柔らかい革のスリップオンのモカシンの靴でした。

「靴のサイズが小さいですよ。この靴だとつま先が靴先に圧迫されるので、巻き爪と陥入爪と外反母趾を悪化させてしまいますよ。」と私。
「ええっ？でもこの靴が一番履き良いし、この上のサイズだと靴が緩くて脱げる感じがして返って疲れちゃうのよ・・・。」とご婦人。
「なるほど、靴で足を押さえつけて脱げないサイズを選んでいらっしゃるのですね。でも、その慣れ親しんだ感覚が足のトラブルの原因になっていますよ。」と私。

早速、２５，０ｃｍの健康靴を履いて頂き、足先から靴先の間に１ｃｍ程の余裕寸が確保されているのを確認して、靴紐をしっかり締めて余裕寸を維持できるようにして履いて歩いて頂きました。
「わあ、なんだか足先に余裕があり過ぎて落ち着かないわ・・・。」とご婦人。
「余裕寸が確保されて足指が靴先に圧迫されないので気持ち良い筈なんですが、違和感の方が強いですか？」と私。
「靴紐をしっかり締めて履いて頂いたので、靴がブカブカしないと思うのですが・・・。」とさらにお尋ねする私。
「うーん、慣れないせいもあるのか、つま先がすごい違和感なんだけど・・・」
「でも、圧迫されなくなったから、痛くないのではありませんか？」と私。
「こういう靴ってあまり好きじゃないのよ・・・。」とご婦人。
「なるほど、デザインですか・・・。」と私。
「分かったわ、とにかく私の足に合う靴はなかなか無いのよね・・・。」とご婦人。
「どうも、ありがとう。」そう言い残してご婦人はお帰りになってしまいました。

暫し無力感に襲われてしまった私でした。

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