靴を見に来たんですが・・・

2011年5月14日公開 / 2014年7月17日更新

テーマ：足と靴

コラムカテゴリ：くらし

「ちょっと靴を見に来たんですが・・・」と言ってご来店される方がいらっしゃいます。
「何か足にトラブルを感じていますか？」と質問すると、多くの方が、「いえ、足に問題は無いんだけど、なかなか合う靴がなくって・・・」とお答えになります。
そして次に、「おたくでは、足に合う靴をみてくれるんでしょ？」と聞いてこられます。
そこで私が、「靴が足に合わないと感じるのは主にどういう点でしょうか？」と質問します。
すると、「歩いていると足の裏が痛くなったり、指の間にマメが出来たりして痛くなったりするんです」とか、「足が浮腫んできて、重くなって疲れるんです」とか、「膝が痛くなってくるんです」、「外反母趾じゃないかと思うんですが・・・」と、次から次にいろいろな足のトラブルが出てきます。

さて、そういう方の履いている靴を観察すると、ローヒールのプレーンパンプス、フラットなカッターシューズ、ヒールのあるローファーなどの比率が多いようです。

「どんな靴をお探しですか？」と私がお聞きすると、「足に合った、歩いても疲れない靴を探しています」と言われます。
そこで、「もし良かったら、靴を脱いでこのマットの上に立ってもらえませんか？」と促すと、たいていの方は素直に靴を脱いでいただけます。
私が「どうでしょうか？。足のつま先の形状と靴のつま先の形状が合っていないと思いますが？・・・」とお尋ねすると、「あっ、でもこの靴は、○○○○で足を測ってもらって買った靴なんですけど・・・」と言われたりします。
「この靴のつま先のシャープな形状が、足の裏に荷重を集める原因になったり、閉じ込められた指の間にマメを作ったり、血液循環を低下させて足が浮腫んだり、外反母趾になる原因になるのですよ」と説明すると、「でも、仕事でこういう靴を履かないといけないんで・・・」と言われてしまいます。

こういうケースは営業関係の外回りの仕事か、比較的立って歩き回る環境でお仕事をされる方に多いような気がします。
厳しい言い方かもしれませんが、結局、「足に合わない靴のタイプの中で、足に合う靴を探す」という矛盾した行動に追いやられているのです・・・。
快適に歩きたいのに、その環境を整える靴が履けない、許されないという矛盾・・・。
夏の節電志向で、「スーパークールビズ」が議論されていますが、足に余計な負担をかけない「スーパーヘルシーワークシューズ」なんて議論もして欲しいものです。

　「足と靴の相談室」ロビンフット長津田　http://www.robinfoot.co.jp/