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佐藤宣幸

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佐藤宣幸(さとうのぶゆき) / 薬剤師

有限会社 すみれ漢方施薬院薬局

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コラム

ストレス・イライラ・ヒステリーに効果が期待できる漢方薬

2015年9月21日

テーマ:心の漢方薬

コラムカテゴリ:医療・病院

コラムキーワード: 漢方薬 効果

精神の高ぶりに、抑肝散を取り入れてみよう


「抑肝散(よくかんさん)」は、精神の高ぶりや神経の高ぶりによって起こる、気分変調障害や不安障害、緊張型頭痛などの神経症状を抑える効果があります。

神経症状を抑えることで、緊張や興奮時に働く交感神経と、リラックス時に働く副交感神経のバランスがとれて、心や体を穏やかにすることができます。特に神経が高ぶっている症状に有効的な成分が7種類含まれています。

生薬の内容としては、柴胡(さいこ)・釣藤鈎(ちゅうとうこう)・蒼朮(そうじゅつ)・茯苓(ぶくりょう)・当帰(とうき)・川芎(せんきゅう)・甘草(かんぞう)を合わせた精神症状に対応する薬が抑肝散です。

西洋薬との併用で、認知症やうつ病の改善補助、てんかんや熱性けいれんの発作回数の減少を促す効果も期待できます。
抑肝散は、虚弱体質の方や神経質で神経が高ぶっている方にとても良く合う漢方薬です。

反対に、嘔吐などの胃腸トラブルがある方は抑肝散に「陣皮(ちんぴ)=胃腸機能を高める」「半夏(はんげ)=去痰(きょたん)・鎮吐(ちんと)・鎮静(ちんせい)を改善」を加えた「抑肝散加陣皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)」の服用が好ましいと言われています。

老若男女が服用可能な抑肝散


昔は、子供のかんしゃくや夜泣きに使用されていた抑肝散ですが、現在では成人の神経症状にも効果があることがわかり、分量を調整することで、年齢に関係なく体質に応じて服用することができる漢方薬となりました。

副作用もほとんどないのですが、服用に注意が必要な方もいますので、一部を紹介しておきます。胃や腸などの消化器系が弱い方は、甘草(かんぞう)を含む生薬のため「偽性アルドステロン症(主に高血圧やむくみなど)」が起こる場合があります。

また、漢方薬は体内のカリウムを容易に排泄させる成分を含むものが多いため、電解質の異常を起こす場合があります。まれですが、筋肉のマヒを起こす副作用の症状が報告されています。

ご自身の体質をしっかり知ることで、漢方による副作用は起こりにくくなりますので、専門医や専門薬剤師に相談をした上で、必要な分量の漢方を服用しましょう。

漢方道、四つの必殺技


漢方は、ストレスをなくす治療ではなくストレスとの共存を目的とした治療を行います。漢方を取り入れることで、ストレス抵抗性を高めることが可能です。ストレス抵抗性を高めるのに重要なのが、「肝」と「腎」の働きです。肝は、情緒や神経状態の安定を保つ役目があり、腎は環境の変化やストレスに対し、体が過剰反応しないようにする役目があります。この両者を安定させるための、漢方にしかできない必殺技を紹介します。

・「補うこと」足りない元気を回復させる。
・「捨てること」体にたまった余分なものを排出する。
・「サラサラ流すこと」血液や気を正常に流すことで、体内をきれいにする。
・「バランスを整えること」内臓機能のバランス・体のバランス・ホルモンバランスの調整。

ストレスは、生きていく限りなくなるものではありませんので、向かってくるストレスに負けない体を作ることが重要であると考えます。

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