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浅井知彦

コンクリート住宅設計のプロ

浅井知彦(あさいともひこ) / 一級建築士

レヴォントリ株式会社 一級建築士事務所

コラム

ハーフビルド住宅

2021年8月13日 公開 / 2021年8月22日更新

テーマ:住宅

コラムカテゴリ:住宅・建物

このコラムは前回からの続きとなっています。

前回はこちらです。
セルフビルド住宅


前回のコラムでも書きましたが、セルフビルドで自宅を建てることにコスト面でのメリットはほぼありません。

そして、たとえ自宅といっても、家を建築するには法的な制約や施工上の制約が多数あります。

しかし、それでも家を自分で建てたいという人はいるでしょう。

そういう人にお勧めしたいのは「ハーフビルド住宅」という建築方法です。


ハーフビルド住宅とは何か


「ハーフビルド住宅」について明確な定義はありませんが、ここでは、

ある程度まで業者が建てて、その後、自分で工事を行う

という家の建て方だと考えて下さい。

ここで気になるのはどこまでを「ハーフ(半分)」とするかです。

これについて、私は「建築完了検査が受けられるところまで」は業者に任せ、「残りの部分をセルフビルド」するのが良いのではないかと考えています。


建築確認申請、完了検査の重要性


家を建てるとき、着工前には建築確認申請を出し、家が完成したら建築完了検査を受けるというのが、法律上の基本原則です。

これらの検査を受けることにより、

  • 上下水道、電気など、基本インフラを使用することが出来る
  • 構造的な安全性を確保できる
  • 品確法など法律上の保証制度を使うことができる
  • 火災保険、地震保険にも加入することができる
  • 将来、不動産として問題なく売買できる


・・・要するに、公式に「ちゃんとした家として成立している」ことが認められるのです。


いくら自分で家を建てたいといっても、違法な家を建てるわけにはいきません。

まず、家としての基本がちゃんと出来た状態にしておくこと、そしてそれを公式に認めて貰うこと、そのための手続きが確認申請と完了検査なのです。

家としての基本がしっかり出来ていれば、セルフビルドを行っても構造的にも安全、安心な家に住むことが出来ます。

自分で家を作りたい人は、ちゃんと検査を受けてから自分の手で好きなように家を仕上げていくようにすれば良いのです。


リノベーション住宅

もっと自由に家を作りたい人


家の内部だけでなく、家の外観部分なども含めて、もっと自由に家づくりを楽しみたいという人もいるかもしれません。

そのような場合、融通の利く建築士、理解のある工事業者と一緒に「完全自由設計」で家づくりを行うという方法もあるかもしれません。

たとえば、外観の建材、設備などについては自分で自由に選んだ上で取り付けのみを業者に任せる。その上で内装の仕上げやインテリアは自分で作業するという方法です。

この方法なら、外観も含めて思い通りの家を建てることが出来ます。


リノベーション住宅

応用編:戸建て住宅のスケルトンリフォーム


ハーフビルドの手法は、戸建て住宅のスケルトンリフォームにも応用できると思います。

これは、古い住宅の内部を構造部材を残してすべて解体し、その上で全面リフォームしていく方法です。

この場合、

  • 外壁や構造、水回りなどの重要部分→建築士、工務店が担当する
  • それ以外の部分→自分で自由に作り上げていく


というハーフビルドの手法で工事を行うことをおすすめします。

この方法のポイントは、安全性に関する部分(構造)については、決して手を抜かないことです。

家の基本構造さえしっかりと確保できれば、あとは安心してじっくりと仕上げていくことが出来ます。


応用編:マンションのスケルトンリフォーム


分譲マンションをスケルトンリフォームするという方法もあります。

この場合の注意点は「分譲マンションのリフォームは、そのマンションの管理組合が定めた管理規約に則って行わなければならない」ということです。

分譲マンションの場合、自分が所有する部屋といっても、入り口ドアや窓、バルコニーなどを勝手に変更することは出来ません。

マンションによっては、使用できる床仕上げの方法など、内部についても細かく規定されている場合もあります。

どこまで、どのように内装を仕上げていくのか・・・このあたりは必要に応じて専門家とも相談しながら、じっくりと手を入れていくのが良いと思います。


応用編:住宅以外をリノベーション


店舗や倉庫、オフィスビルなどをリノベーション、セルフビルドして住宅に仕上げていくという方法もあります。

店舗や倉庫、オフィスビルなどの建物は、元々の床の設計荷重が大きく、間仕切りが無い大空間をとることも出来ますので、セルフビルとしてみると面白い家が作れるかもしれません。

【参考リンク】店舗ビル、オフィスビルを賃貸住宅にリノベーションする方法

この場合も、基本構造と上下水道などインフラ部分のチェックまでは、しっかりとした専門家に担当して貰うことをおすすめします。


屋上庭園

セルフビルドを楽しむ


プラモデルや模型を作るのは楽しい。それなら、もっと大きなスケールで作る「自分の家」というのは、凄く楽しいのではないかと思う人も多いでしょう。

しかも作った後、そこに住むことが出来る。これはなかなか出来ない経験です。

しかし自分が住む家ですから、安全性に問題があったり、法律に触れるようなものだったりしては困ります。

デメリットを回避しながら、どのように楽しんで家を作るのか。

その提案として「家づくりの楽しさというメリットは最大に享受して、法に触れる部分は回避する」ハーフビルドをおすすめしたいと思います。

セルフビルドに興味のある方は、是非、建築士に相談してみて下さい。


  ◇ ◇ ◇


家を作るときに考えて欲しいことについて、こちらのページに纏めてみました。

テーマ別コラムのまとめ【ペット/寒さ対策/子育て/地震に強い鉄筋コンクリート住宅など】

興味のある分野があれば、是非、目を通して下さい。


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